2007 Fiscal Year Annual Research Report
血小板産生における細胞骨格蛋白質フィラミンの役割の解明
Project/Area Number |
19591146
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
金地 泰典 Kurume University, 医学部, 助教 (40363428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 孝 久留米大学, 医学部, 教授 (30136436)
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Keywords | 血小板産生 / 巨大血小板 / 細胞骨格 / フィラミン / ES細胞 |
Research Abstract |
我々は細胞骨格蛋白質フィラミンAと血小板膜蛋白質GPIbαの相互作用が血小板産生,血小板活性化に重要な役割を演じている事を明らかにしてきた。研究の目的はフィラミンAを(血小板特異的に)ノックダウンしたES細胞株を樹立し, in vitroで巨核球,血小板に分化させる事でフィラミンの巨核球への分化,血小板産生,活性化における役割を明らかにする事である。初めにCMVプロモーターの下に緑色蛍光蛋白EGFPのcDNAをその下流にフィラミンをノックダウンするmicro RNA配列を挿入したvectorを作成した。 ES細胞株(E 14tg2A)にこのコンストラクトをトランスフェクトし,抗生剤でゲノムに組み込まれたクローンを選択しさらにFlowcytometryでGFP高発現安定株¢Σcloningを行った。またwestern blottingでフィラミンの発現が親株と比較して10%以下である事を確認した。このフィラミンノックダウン株を胚葉体形成法で6日間分化させマウス造血幹細胞のマーカーであるCD41(GPIIb)の割合を検討した。親株では10%程度のCD41 positive細胞を認めたがフィラミンノックダウン株では高レベルのGFP発現分画(フィラミンのノックダウン効率が高い分画)ではCD41positive陽性細胞を認めなかったが,低レベルGFP発現分画(フィラミンのノックダウン効率が低い分画)ではCD41 positive細胞を認めた。以上よりフィラミンAの発現はES細胞から造血幹細胞分化に必須であると考えられた。フィラミンAは頭,頚部の形態異常や脳質周囲への神経細胞の移動だけでなく心血管系の形成にも重要な役割を演じている事が報告されている。今後神経細胞や,血管系への分化についても検討を行うと共にこの細胞株にヒトフィラミンを発現させ,血球系への分化が回復するかの確認を行いこの現象が本当にフィラミンAのノックダウンによるものなのか検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)