2007 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞間の比較による幹細胞共通分子の探索と血液学的機能解析
Project/Area Number |
19591148
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
浜口 功 National Institute of Infectious Diseases, 血液・安全性研究部, 室長 (90348780)
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Keywords | 生殖幹細胞 / 造血幹細胞 / トランスジェニックマウス / siRNA / In situ ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
生殖幹細胞、ES細胞、精巣細胞の3者で発現遺伝子のサブトラクションを行った。PCRの結果より、生殖幹細胞に特異的に発現している11分子を同定した。このうち7分子(Fth1,Cryab,Spp1,Bcap31,Arhgap1,Ctla2a,Serpina3g)が造血幹細胞にも特異的に発現していることを定量PCR法により明らかにした。またこれらの分子について、組織学的解析を行った結果、毛根部の幹細胞領域と思われるバルジ部位に特異的に発現している遺伝子として、Spp1を同定した(Takuo Mizukami, et al, Stem cell&Dev.,17:67-80,2008)。このことは、多くの体性幹細胞において、幹細胞機能に深く関与していることが示唆された。さらにin situ hybridization法により大腿骨骨梁部の骨内膜での局在など、未分化性維持に深く関わっているとされるニッチとの関係を明らかにしつつある。 一方でSpp1遺伝子欠損マウスを入手し、機能解析を開始した。これまでのところ、Spp1欠損マウスにおいて、造血幹細胞の激的な増加が、ニッチと考えられている骨内膜とは異なる部位で出生後4週まで続くことが観察している。Spp-1がニッチにおいて未分化性維持を負に制御しているのではないかと考えられ、そのメカニズム解析を組織化学および血液学的な手法を用いて行っている。
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