2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型白血病・リンパ腫モデルの創出と造血細胞・顆粒球の体外増幅
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19591149
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
都築 忍 Aichi Cancer Center Research Institute, 遺伝子医療研究部, 室長 (00342965)
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Keywords | TEL-AML1 / 臍帯血 / アレイCGH / AML1 / アイソフォーム |
Research Abstract |
1.ヒト型白血病モデルの創出 TEL-AML1融合遺伝子をもち白血病は、その異常細胞が胎生期に発生することが知られているが、その起源やどのような性質をもつ細胞なのかについては不明であった。今回、ヒト検体を用いた解析やヒト臍帯血由来造血幹細胞に人工的にTEL-AML1融合遺伝子を発現させて解析する方法により、正常にはない特殊な細胞表面形質を有し、自己複製能が亢進した細胞であることを明らかにした。この異常細胞が生後も長く存続し、ここに2次的遺伝子変異が起きて白血病化することが明らかとなった。この2次的異常についてはアレイCGH法によりその一端を明らかにしており、白血病化機構の全容解明が期待される。 2.造血細胞の体外幅 造血に必須な転写因子AML1の長短の2種のアイソフォームの機能をin vitro, in vivoで解析した。その結果、短いアイソフォームには造血細胞を増幅させ、骨髄移植後の生着能を大幅に亢進させる作用があることが判明した。また、in vitroでの造血細胞の維持・増幅も可能となった。逆に長いアイソフォームは特に顆粒球への分化を促進、結果として造血能が枯渇させる作用があることを見出した。AML1の長短2種のアイソフォームにはこのように正反対の作用があり、両者のバランスを人為的に操作して変更することで造血をコントロールできる可能性が開けた。In vitroでの血液細胞成分の増幅・産生や造血幹細胞の増幅などの応用が期待される。
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