2007 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群発症の分子機構:M3Rに対する免疫応答解析
Project/Area Number |
19591151
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
住田 孝之 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00183054)
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Keywords | シェーグレン症候群 / ムスカリン作働性アセチルコリン受容体(M3R) / 抗M3R抗体 / 自己抗体 / T細胞エピトープ / アナログペプチド / 発症機構 / 抗原特異的制御 |
Research Abstract |
本研究では、シェーグレン症候群(SS)患者において、ムスカリン作働性アセチルコリン受容体(M3R)に対する免疫応答を解析することにより、SSにおける唾液腺破壊の発症機序の解明と、SSに対する新しい抗原特異的治療戦略の開発を目的とする。具体的には、次の二つを研究の主目的とする。1)SS患者血清中における抗M3R抗体を測定し、SSの新たな診断マーカーとなりうるか?その自己抗体が機能的に唾液分泌を障害するのか?などを明らかにする。2)M3RのT細胞認識ペプチドを明らかにして、M3R反応性T細胞をアナジーに陥らせるアナログペプチドを選定し、抗原特異的な治療戦略を開発することを目的とした。本年度の研究成果は、1)抗M3R抗体のB細胞エピトープについて解析し、第二細胞外ドメインばかりでなく、第一細胞外ドメイン、第三細胞外ドメリン、N末端領域に対してもB細胞エピトープが存在する事を証明した。2)SS患者血清中の抗M3R抗体はM3R受容体に対して、唾液性上皮細胞由来細胞株(HSG)を用いたCainflux法により、唾液分泌に対して正および負のシグナルを誘導する可能性が明らかにされた。3)M3R免疫マウスにおいて、抗M3R抗体産生により唾液分泌を抑制するモデルと、唾液腺炎を誘導するモデルを作製した。次年度は、このモデルマウスを用いてSS発症の分子機構を解析するとともいに、T細胞エピトープのアナログペプチドを用いた抗原特異的制御法の確立をめざす。
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Research Products
(5 results)