2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591154
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 洋一 Chiba University, 大学院・医学研究院, 准教授 (80216457)
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Keywords | マトリックスメタロプロメターゼ13 / 気道上皮 / 気管支喘息 / インターフェロンβ / 感染 / siRNA / 感受性遺伝子 |
Research Abstract |
マトリックスメタロプロテアーゼ13(MMP13)の気道組織における役割を明らかにするため、ヒト由来のSAEC(Small airway epithelial cell)、NHLF(Nomal human lung fibroblast)、BSMC(Bronchial smooth muscle cell)を用いて、PAMPs(pathogen associated molecular patterns)やインターフェロン(IFN)などで刺激した際のそれぞれの細胞でのmRNA発現、細胞から培養上清への分泌を検討した。 SAECでは、MMP13の発現量がpoly(I:C)、FSL-1、IFN-β、IFN-λの刺激によりそれぞれ4000倍、2.7倍、1300倍、140倍に増加することがわかった。Poly(I:C)刺激によって、SAECからは、IL-1β、IL-1receptorα、IL-6、IL-8、G-CSF、IP-10、MCP-1、MIP-1α、MlP-1β、RANTES、TNF-αの分泌が数十倍から数千倍に増えていた。IFN-βとIFN-λの刺激でもMIP-1αとTNF-αをのぞく上記のサイトカイン類の分泌が増えることがわかった。MMP13の分泌も数千倍に上昇していた。MMP13の発現が、他のサイトカイン分泌にとって必須であるのか単に平行して増加しているのかを明らかにするために、MMP13に対するsiRNA分子を3種類合成し、細胞刺激前にトランスフェクションして、MMP13の機能抑制がIFNβ刺激によるサイトカイン分泌にどう影響するのかを検討した。3種類のMMP13 siRNAは90%以上MMP13mRNAの発現と蛋白の分泌を抑制した。その際、IL-6、IP-10、MCP-1、MIP-1β、RANTESの分泌を70%から95%阻害することがわかった。特に、MCP-1とRANTESへの抑制効果は著明であった。 以上の結果から、MMP13は、気道上皮への微生物の侵襲や感染によるIFNに反応して気道上皮が各種炎症性サイトカイン分泌の制御に関連することが示唆された、MMP13遺伝子の発現量の多少が喘息における急性感染症時の気道炎症増悪に関連する可能性があると考えられた。
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Research Products
(12 results)