2007 Fiscal Year Annual Research Report
BTLAの自己免疫抑制機構の解明とその臨床応用に向けた基礎的検討
Project/Area Number |
19591155
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡辺 紀彦 Chiba University, 医学部附属病院, 講師 (20375653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 晃一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90400887)
中島 裕史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00322024)
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Keywords | BTLA / 副刺激分子 / 自己免疫疾患 / 免疫寛容 / 自己抗体 / NKT細胞 / CD4T細胞 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本申請研究では,我々が新規の抑制性副刺激分子として同定したBand T lymphocyteattenuator(BTLA)の生体内における機能,特に自己免疫の発症抑制機構を解明し,BTLAを利用した自己免疫疾患の新規治療法開発の基盤を構築する事を目的としている。BTLA欠損マウスでは自己抗体と唾液腺や肺への炎症細胞浸潤の出現に加え,自己免疫性肝炎(AIH)様の肝障害が自然発症することに着目し,平成19年度の研究ではBTLAが肝においていかに免疫寛容を維持し自己免疫を抑制しているかの解明を目指した。その結果1)BTLA欠損マウスの肝臓には主に活性化したNKT細胞とCD4陽性T細胞が浸潤していること,2)野生型マウスの肝内NKT細胞はBTLAを発現していること,3)BTLA欠損マウスではNKT細胞依存性のヒトのAIHモデルであるconA肝炎が悪化することを明らかにした。これらのことは肝内のNKT細胞の活性化をBTLAが抑制していることがAIHやconA肝炎の発症を抑制するメカニズムの一つであることを示唆している。現在BTLA欠損マウスをNKT細胞欠損マウス(Jα281欠損マウス)と交配し,AIHやconA肝炎の発症が抑制されるか否かを検討している。今後はBTLA欠損マウスのAIHやconA肝炎を惹起する責任細胞を細胞移入実験等により確定し,さらに末梢性免疫寛容の成立に重要な役割を果たすと考えられている制御性T細胞(Treg)の分化及び抑制能におけるBTLAの役割を明らかにする。上記研究によりBTLAを利用して自己免疫疾患を治療する際の標的細胞を同定し,BTLA-HVEM(BTLAligand)系を応用した新規免疫療法開発の基盤を構築する。
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Research Products
(4 results)