2008 Fiscal Year Annual Research Report
BTLAの自己免疫抑制機構の解明とその臨床応用に向けた基礎的検討
Project/Area Number |
19591155
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
渡辺 紀彦 Chiba University, 医学部・附属病院, 講師 (20375653)
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Keywords | BLTA / 副刺激分子 / 自己免疫疾患 / 免疫寛容 / 自己抗体 / NKT細胞 / CD4T細胞 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究では、我々が新規の抑制性副刺激分子として同定したB and T lymphocyte attenuator(BTLA)による自己免疫疾患の発症抑制機構を解明し、BTLAを利用した自己免疫疾患の新規治療法開発に向けた基盤を構築する事を目的とした。 BTLA欠損マウスでは自己免疫性肝炎(AIH)様の肝障害が自然発症することに着目し、BTLAが肝においていかに免疫寛容を維持し自己免疫応答を抑制しているかを解析した。その結果、1)野生型マウスの肝内NKT細胞はBTLAを発現していること、2)BTLA欠損マウスの肝臓には活性化したNKT細胞が浸潤していること、3)BTLA欠損マウスではNKT細胞依存性AIHモデルであるconA肝炎が増悪することが明らかとなった。これらの実験結果は、BTLAによる肝内NKT細胞の活性化抑制がAIHやconA肝炎の発症抑制に関与している可能性を示唆している。 そこでBTLA欠損マウスをNKT細胞欠損マウス(Jα281欠損マウス)と交配し、conA肝炎の発症が抑制されるか否かを検討した。その結果、BTLA/NKT細胞ダブル欠損マウスでほconA肝炎の発症が完全に抑制されることが明らかとなった。さらにNKT細胞の細胞移入実験により、NKT細胞におけるBTLAの発現が、conA肝炎の抑制に必須であることが明らかとなった。すなわち、BTLAは、T細胞の活性化抑制のみでなく、NKT細胞の活性化抑制にも関与し、肝における自己免疫応答を抑制していることが明らかになった。以上の研究成果は、NKT細胞に発現するBTLAが自己免疫疾患治療の標的となり得ることを示唆しており、BTLA-HVEM(BTLA ligand)系を利用した免疫療法開発に向けた新たな方向性を示せたと考える。
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Research Products
(5 results)