2008 Fiscal Year Annual Research Report
好塩基球の増殖およびサイトカイン産生機構の解明とその制御
Project/Area Number |
19591162
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
肥田 重明 Shinshu University, 医学研究科, 助教 (10345762)
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Keywords | 好塩基球 / Th2 / サイトカイン / シグナル伝達 / FcRγ / IRF |
Research Abstract |
本研究課題では好塩基球におけるサイトカイン産生機構や細胞増殖の分子機構について解析し、好塩基球依存的な2型免疫応答について検討した。 申請者のこれまでの研究成果から、FcRγ欠損マウス由来の好塩基球で観察されたIL-3依存的なサイトカイン産生の障害は、好塩基球の分化・増殖に依存したものではなく、IL-3シグナル伝達の異常であることが示唆された。本年度は、FcRγを介したサイトカイン産生に関して具体的なシグナル伝達経路の解析をおこなった。その結果から、(1)FcRγ分子は、IL-3依存的なIL-4産生に必須の分子であり、その下流のシグナル伝達分子であるSykがサイトカイン産生に重要であること、(2)免疫沈降法などによって、IL-3受容体とFcRγ分子は直接もしくは間接的に会合していること、(3)種々の変異FcRγ分子を発現させることによって、IL-3受容体とFcRγの会合形式は全く新規の分子間相互作用によること、(4)FcRγ分子はSTAT5を介した細胞増殖には直接関与せず、IL-3シグナル伝達には細胞増殖シグナルとサイトカイン産生という独立した異なるシグナル経路が存在していることを証明できた。 今後、本研究を更に詳細にすすめることによって、好塩基球の活性化制御機構の解明を通じて、2型免疫応答の制御機構をin vitro, in vivoで明らかにできることが期待される。また免疫細胞のシグナル伝達制御をターゲットにした新規免疫制御方法の開発が可能となり、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、感染症の新規治療法や予防法の開発に対して指針を与えることにつながることが期待できる。
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Research Products
(5 results)