2008 Fiscal Year Annual Research Report
CBL会合アダプター(CIN85)による正常ならびに自己免疫疾患B細胞の機能制御
Project/Area Number |
19591169
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新納 宏昭 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20380636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤司 浩一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80380385)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 細胞・組織 / 免疫学 / シグナル伝達 / 内科 |
Research Abstract |
本年度は、CIN85による抗原提示制御メカニズムの解明、自己免疫疾患B細胞におけるCIN85の発現異常の解明について検討した。 (1)CIN85による抗原提示制御メカニズムの解明 B細胞抗原受容体(BCR)は、生存、増殖、分化に必要なシグナルを産生すると同時に、自らは抗原を取り込みプロセスするという抗原提示機能の上で重要である。CIN85野生型、アダプタードメイン欠損型、RNAiベクターによるCIN85ノックダウン細胞を使用し、刺激後のBCRの取り込み(internalization)についてフローサイトメトリーを使用し評価した。その結果、いずれの細胞においてもBCRのinternalizationはコントール細胞と同様であり、B細胞の抗原提示能の最初の段階である抗原の取り込みについて、CIN85は作用しないことが判明した。 (2)自己免疫疾患B細胞におけるCIN85の発現異常の解明 CIN85によるBCRシグナルの可能性は、このアダプター分子の自己免疫疾患(特にSLE)におけるB細胞の機能異常への関与を示唆する。自己免疫疾患B細胞(CD19^+)をナイーブならびにメモリーB細胞サブセットの分画まで純化を行い、real-timePCRによるCIN85 mRNAの定量的評価ならびにwestern blotによるCIN85蛋白の定量的評価を行った。その結果、健常人B細胞サブセットに比べ、自己免疫疾患B細胞サブセットにおいてCIN85発現がmRNAならびに蛋白レベルの両方において低い傾向にあることが判明した。 以上の結果より、CIN85は、抗原受容体を介したB細胞機能を制御することにより、自己免疫疾患における自己反応性B細胞の運命決定に重要なアダプター分子であることが強く示唆される。
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Research Products
(4 results)