2007 Fiscal Year Annual Research Report
SLE制御性T細胞FOXP3アイソフォーム発現とその免疫抑制機構における役割
Project/Area Number |
19591177
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 勝也 Saitama Medical University, 医学部, 助教 (70306695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50179610)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 制御性T細胞 / FOXP3 / アイソフォーム |
Research Abstract |
SLE末梢血における制御性T細胞(Treg)数の測定を行った。健常人およびSLE患者の末梢血よりリンパ球分画を抽出し、CD3、CD4、CD25で細胞外染色、FOXP3の細胞内染色し、CD4+T細胞中のFOX3+CD25+CD4+T細胞の割合を測定した。次に、SLE末梢血におけるFOXP3およびExon2欠損アイソフォームの制御性T細胞における発現を解析した。末梢血単核球からmRNAの抽出後、cDNAへ変換。特異的プライマーおよびTaqManプローブを設定し、定量的RT-PCR用サーマルサイクラー(Applied Biosystems)を用い、内部コントロールをG3PDHとして、FOXP3およびそのExon2欠損アイソフォームのmRNA発現量の定量を行った。また、FOXP3の新たなバリアントフォームの探索のため、FOXP3mRNAのコーディング配列の上流に5'側プライマーを、3'UTRの下流に3'側プライマーを設定。RT-PCR後、アガロースゲル電気泳動を行いその有無を検討した。 SLE末梢血TregのCD4陽性細胞中の割合は幅広い分布をとり、健常人との有意差は認めなかった。次にTregのマスター遺伝子であるFOXP3およびそのアイソフォームの発現をみたところ、健常人と比べ有意な減少を認めていた。正常型、アイソフォームとも白血球数やリンパ球数、疾患活動性との相関は認めなかった。また、FOXP3の新たなバリアントフォームは認められなかった。 以上の結果から、SLE末梢血TregにおけるFOXP3およびアイソフォームの発現低下は、本疾患におけるTregの質的異常の可能性を示唆するものと考えられた。この発現低下が免疫抑制機構に果たす役割ついて、来年度以降検討する予定である。
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Research Products
(1 results)