2008 Fiscal Year Annual Research Report
SLE制御性T細胞FOXP3アイソフォーム発現とその免疫抑制機構における役割
Project/Area Number |
19591177
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 勝也 Saitama Medical University, 医学部, 助教 (70306695)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 制御性T細胞 / FOXP3 / アイソフォーム |
Research Abstract |
SLE制御性T細胞FOXP3アイソフォーム発現とその免疫抑制機構における役割について明らかにすることを目的として、引き続き平成20年度も研究を行った。SLE末梢血におけるFOXP3およびExon2欠損アイソフォームのmRNA発現量を定量的RT-PCR用サーマルサイクラーを用い、内部コントロール(G3PDH)の発現と比較解析した。昨年度の予備的解析からさらに検体数を増やして、合計56例、SLE25例、RA(疾患コントロール)23例、健常人8例においで解析を行ったところ、SLE、RAとも健常人に比し、統計学的有意に両アイソフォームの発現低下を認めた。両アイソフォーム発現比はほぼ同等で,正の相関が認められ、同じ機構で転写制御受けている可能性が示唆された。この発現低下は末梢血白血球数およびリンパ球数と相関なく、これらの影響のみでは説明出来なかった。本疾患におけるTreg機能低下の原因として、FOXP3皿RNA発現低下が重要な役割を担っていると考えた。ヒトExon2欠損アイソフォームの役割としては、in vitorにおける過去の報告では、機能的に阻害として働くという説と相加的であるが異なる役割をもつという説が提唱されている。in vivoにおける本研究結果は、後者の方を支持するものであった。 次に免疫抑制薬がFOXP3発現に与える影響を明らかにするために、カルシニューリン阻害薬(tacrolimus)のin vitorにおけるFOXP3発現への影響を調べた。抗CD3および抗CD28抗体刺激によりFOXP3陽性細胞の割合は増加を認め、これにtacrolimusを加えると有意に発現が低下した。発現低下した細胞はCD62L低発現細胞であった。 免疫抑制薬がFOXP3発現に果たす役割ついて来年度検討する予定である。
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Research Products
(1 results)