2008 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー疾患関連遺伝子発現制御を担う転写調節因子
Project/Area Number |
19591179
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
西山 千春 Juntendo University, 医学研究科, 准教授 (20327836)
|
Keywords | 転写調節因子 / FcεRI / アレルギー / 一塩基置換多型 / PU.1 / マスト細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
アレルギー疾患に関わる転写調節因子について、特にI型アレルギー反応において中心的な役割を果たすマスト細胞・好塩基球特異的な遺伝子発現制御に重要なGATA-1、 PU.1の機能解析を進め、PU.1の発現レベルがマスト細胞と単球系細胞分岐を決定する詳細について以下の成果を報告している。PU.1の発現を左右するとされているNotchシグナルのマスト細胞への作用としてその発現の有無が長らく議論の中にあったマスト細胞上のMHCIIの発現を誘導する働きを見いだした。また、マスト細胞におけるPU.1過剰発現実験からMHCII発現のマスターレギュレーターであるCIITAの第4プロモーターを介しPU.1が直接転写活性化を行う機能があることを示した。一方、マスト細胞・好塩基球に特異的に発現するIgE受容体α鎖遺伝子の制御領域に存在する-315C/T多型が先に報告した-66T/C多型と同様、転写調節因子の結合・活性化能に影響を及ぼす結果、好塩基球表面の受容体発現量を左右することによりアレルギー感受性に関わっている可能性を報告した。また、オーダーメイド医療実現化プロジェクトのゲノムワイドスクリーニング研究の一端として、アレルギー性喘息と相関があると報告されていたIL-12/23p40遺伝子制御領域の多型が転写調節因子Sp1の結合力に影響を及ぼす結果、疾患感受性に関わっていることを分子生物学的手法により明らかにした。IgE受容体α鎖遺伝子の他多型について、上述の多型との連鎖やアレルギー疾患への関わりを民族間の差異を考慮して解析すべく日本とポーランドのヒト遺伝子比較を進めている。
|