2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンに対する自己免疫の免疫学的および病因的意義に関する研究
Project/Area Number |
19591183
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
諏訪 昭 Tokai University, 医学部, 准教授 (30187819)
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Keywords | エピジェネティクス / 自己抗体 / 自己免疫 / 全身性エリテマトーデス / ヒストン |
Research Abstract |
[目的]全身性エリテマトーデス(SLE)モデルマウスおよびSLE患者におけるヒストンに対する自己抗体と対応抗原エピトープを同定し自己抗体産生機序を解析し,SLEにおけるエピジェネティクスの病因的意義の追究を目的とした. [方法】MRL/MP/Fas^<lpr>マウス20匹の異なる週齢(3〜19週)の血清中の抗ヒストンH1^0抗体,抗ヒストン(H2A,H2B,H3,H4)抗体,抗dsDNA抗体および抗ヌクレオソーム抗体をELISA法,および免疫プロット法を用い測定した. [結果および意義].精製ヒストンを抗原としたELISAにおいて経時的に抗ヒストン抗体価の上昇がみられ,特にH1^0由来合成ペプチドH1^0_<22-42>に対するIgG抗ヒストンH1^0抗体は,16匹(80%)が経過中抗体価の上昇を認めた.抗dsDNA抗体は,全例で3週より高力価陽性であった.抗ヌクレオソーム抗体価は13匹(65%)では経過中上昇した.精製ヒストンを抗原とした免疫プロットで,マウス血清中にHld/eに対する抗体が最初に見出され,ついでHlc,H1^0,H3,H2Bに対する抗体産生が確認された.抗H2A,H4抗体は7匹中4匹にのみに検出された.ヒストンおよびDNAが主要な自己抗原であり,H1に対する抗体産生がトリガーとなる可能性を明らかとした.本成果は,生体内においてnativeな構造を保持した高分子蛋白によるantigen drivenにより抗体産生が惹起されるという従来の仮説を支持した.
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Research Products
(25 results)