2007 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病患者血清中に存在する抗細胞表面抗体の対応抗原の解析と新たな検査法の確立
Project/Area Number |
19591188
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
三浦 惠二 Fujita Health University, 総合医科学研究所, 助教 (20199946)
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Keywords | 膠原病 / 自己抗体 / 自己抗原 / 細胞表面抗原 / 診断法 |
Research Abstract |
(1)Cyto-ELISA法により、膠原病患者72名の血清中の抗細胞表面IgG抗体価を測定した。使用した細胞は、肝臓癌、腎臓癌、肺癌、膵臓癌、大腸癌、白血病など由来の培養細胞、また臍帯静脈、大動脈など由来の血管内皮細胞を使用した。その結果から、患者においては多種多様な抗体が存在し、それぞれ違った抗体価を示していることがわかった。すなわち、たとえ病状に直接関係している抗体が存在していたとしても、それ以外に様々な自己抗体が共存しているため、抗体価だけで分類化できるような単純な結果ではないと判断できた。 (2)患者ごとに、Cyto-ELISA法で得られたデータと臨床データを組み合わせた形でデータベースを構築することにより、臨床症状に直接関係している抗体の有無を判断しようと考えた。ソフトウェアは、ファイルメーカープロを使用し、患者ごとに一枚のカード形式のデータベースとした。抗細胞表面抗体価は、抗体価の高低により色分けしたが、さらに各細胞での抗体価の比を取り色分けすることにより、細胞の違いによる自己抗体の結合性の変化を可視化することができた。臨床データには、疾患名、諸症状や、臨床検査で得られている自己抗体価などの結果を入力した。このような整理をしたことで、同じ疾患と診断されながら、かなり違う自己抗体を持っていると判断できる場合や、逆に別の疾患と診断されながら、よく似た自己抗体を持っている場合があることがわかった。 (3)自己抗体価の高い患者から自己抗体の遺伝子を取得する方法として、10ml程度の末梢血を材料に、細胞融合法と人工抗体作成技術を融合させた方法を開発している。末梢血より調製したB細胞とヒトミエローマ細胞をセンダイウイルス粒子を用いて融合し、短期間であれば、その培養上清中の抗体の性質が検査可能となった。さらにその融合細胞から抗体遺伝子のクローニングも可能であることがわかった。
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