2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591194
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Research Institution | Sagami Women's Junior College |
Principal Investigator |
清家 正博 Sagami Women's Junior College, 食物栄養学科, 教授 (50346714)
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Keywords | 慢性アレルギー性接触皮膚炎 / ヒスタミン / H4受容体 / Th1 / Th2 / サイトカイン |
Research Abstract |
マウスの背部の皮膚にtrinitrochlorobenzene (TNCB)を繰り返して塗布して、慢性アレルギー性接触皮膚炎を発症させた。TNCB塗布を重ねるにつれて、皮膚病変部ではTh1優位からTh2優位に変化してくることが知られている。本実験で、ワイルドタイプとヒスタミンが欠如しているタイプのマウスの皮膚病変部におけるTh1サイトカイン(IFN-γとIL-12)とTh2サイトカイン(IL-4、-5と-6)をそれぞれ調べたところ、ヒスタミン欠如マウスにおいてTh2サイトカイン量の増加が抑制されていた。次に、この反応に対するヒスタミンの第4受容体の関与について検討した。ワイルドタイプのマウスにはH4受容体拮抗剤であるJNJ7777120を、ヒスタミンが欠如しているタイプのマウスにはH4受容体作動薬であるメチルヒスタミンをそれぞれ投与しながら、TNCBを10日間連日塗布し、病変部のTh1サイトカイン量とTh2サイトカイン量を測定した。その結果、IFN-γとIL-12は拮抗剤の投与で微増し、作動薬の投与で微減した。一方、IL-4、-5と-6は拮抗剤の投与で減少し、作動薬の投与で増加した。以上の結果から、アレルギー性接触皮膚炎が慢性化した時に認められるTh1からTh2へのシフトにはヒスタミンがH4受容体を介して起こす反応が関与していることが明らかになった。H4受容体拮抗剤を投与すればTh2へのシフトが抑制されることから、慢性アレルギー接触皮膚炎やその類似疾患と考えられているアトピー性皮膚炎に対して、H4受容体拮抗剤が有効である可能性を示唆している。
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