2007 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム調節ホルモンによるβ-カテニンシグナル増強・骨量増加作用の検討
Project/Area Number |
19591204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大薗 惠一 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (20270770)
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Keywords | カルシウム調節ホルモン / Wntシグナル / 骨量 / 骨粗鬆症 / 骨形成 |
Research Abstract |
骨髄間質系細胞株であるST2細胞にカルシトリオール(1a,25(OH)2D3:1,25D)を添加するとwntのco-receptorの1つであるlow-density lipoprotein receptor-related protein 6(Lrp6)の発現は増加しなかったが、もう1つのco-receptorであるLrp5の発現は増加した。さらに、ST2細胞におけるwnt/beta-cateninシグナルに対する1,25Dの影響をSuper8×TOPFLASHレポータアッセイによって検討したところ、wnt3aにより増強されるTCF依存性転写活性を1,25Dは抑制した。また、骨芽細胞系細胞株MG63細胞に、5%FCS存在下で1,25Dを添加し24時間後のビタミンDレセプター(VDR)、LRP5およびLRP6、Wntシグナルの抑制因子であるsFRP1の遺伝子発現を解析した結果、VDRおよびLRP5の発現上昇が認められsFRP1の発現は低下した。このとき培養上清中のオステオカルシン濃度の著明な産生亢進が認められた。PTHの間欠的な処理を行ったところ、Super8×TOPFLASHレポーター活性は上昇し、この効果はH7添加により阻害された。また内因性のwntの標的遺伝子として知られるwisp2、nkd2の発現も、PTHの添加により誘導された。このPTHの効果はGSKβの阻害効果によることを証明し、論文として公表した(Suzuki A, Ozono K, et al. J CellBiochem,2007 Epub)。以上、当初の目的であるカルシウム調節ホルモンとwntのクロストークが存在することを実験的に証明した。
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Research Products
(5 results)