2008 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム調節ホルモンによるβーカテニンシグナル増強・骨量増加作用の検討
Project/Area Number |
19591204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大薗 恵一 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (20270770)
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Keywords | カルシウム調節ホルモン / Wntシグナル / 骨量 / 骨粗鬆症 / 骨形成 |
Research Abstract |
細胞株を用いて、活性型ビタミンD、副甲状腺ホルモン(PTH)などのカルシウム調節ホルモンとcanonical wnt経路のクロストークが存在することを証明し、当初の目的は達成した。本年度は、wntのcoreceptorの1つであるlow-density lipoprotein receptor-related protein6(Lrp6)の骨代謝における機能をLRP6の機能が低下した自然発症マウスrsを用い、骨形態計測、免疫組織化学、細胞分化誘導、蛋白質機能解析などの方法で解析した。その結果、wntのLRP6を介する効果としては骨芽細胞におけるRANKLの発現を抑制する事によって破骨細胞形成を抑制し、骨量を増加させることである事を証明し、論文として公表した(Kubota T, Ozono K, et al. J Bone Miner Res,2008)。この結果は、Wntのもう一つのcoreceptorであるLRP5が骨吸収制御ではなく骨形成の増加作用を介して骨量を増加させるとの従来の知見と対象的であり、LRP5は骨に対するWntの作用発現に関与していない可能性が示唆された。申請者らの論文発表直後、Karsentyたちのグループが、LRP5の骨量増加作用はセロトニンを介する事を示す論文を発表した(Yadav VK et al. Cell2008)。骨におけるWntの作用とLRP5/6の使い分けについては、今後さらに検討されることが期待される。
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Research Products
(10 results)