2007 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経の新規ストレス蛋白リポカリン型プロスタグランジンD合成酵素の機能解明
Project/Area Number |
19591205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
毛利 育子 Osaka University, 医学系研究科, 特任助授(常勤) (70399351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷池 雅子 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (30263289)
下野 九理子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60403185)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / 低酸素 / 虚血 / 神経変性疾患 / 培養 / シャペロン / Alzheimer病 / 新生児 |
Research Abstract |
オリゴデンドログリア(OLD)は中枢神経系においてミエリン形成を担う細胞であり、その変性・消失により脱髄が引き起こされる。OLDに発現する蛋白質の一つにリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(L-PGDS)があり、ミエリン形成後の成熟脳において発現が増加することがわかっているが、OLDのどの成熟段階で発現し始めるかなど、詳しい発現機構はわかっていない。 本年はまずOLDの培養細胞系を確立し、L-PGDSの発現時期の検討を行った。マウス胎児脳から細胞を分離し、OLDを単離培養し、幼弱OLDからミエリンシートを形成する成熟OLDへ形態変化をたどる培養系を確立した。免疫染色ではL-PGDSはミエリンシートを形成しはじめるOLDの段階から発現していることがわかった。また、L-PGDSはOLDの短時間の低温暴露等の刺激で免疫染色の強度が増強するため、解析には注意を要する。今後、これらの実験結果を念頭において、低酸素条件下での発現をmRNAの定量を行って解析していく。また、マウス脳から抽出した神経混合培養にて,神経では培養早期にL-PGDSが発現することを免疫染色にて確認。今後、低酸素の条件下でL-PGDS発現が増加するかを調べて行く予定である。 さらに、L-PGDSのシャペロン機能であることの確認としての先駆実験として、L-PGDSがAlzheimer病の原因であるAmyloid β蛋白の凝集抑制をすることを見出していたが、さらに、プラズモン共鳴法にてL-PGDSがAmyloid β蛋白に結合することを確認した。
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Research Products
(5 results)