2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症メタボリック症候群の成因分析:遺伝性肥満をモデルとして
Project/Area Number |
19591207
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
花木 啓一 Tottori University, 医学部, 教授 (20238041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長石 純一 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (90346354)
木下 朋絵 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (80444636)
長田 郁夫 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50252846)
神崎 晋 鳥取大学, 医学部, 教授 (90224873)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 小児肥満 / 遺伝性肥満 / 糖尿病 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
メタボリックシンドローム(MetS)の罹患感受性に影響すると考えられる遺伝的要因について、本年度は、高頻度に見られるが軽微な表現型にとどまる遺伝子多型と、稀であるが高度なMetSを呈する遺伝性肥満という二つの側面からのアプローチを行った。同時に、小児肥満と小児MetS児について、血中高分子量アディポネクチンと生化学指標との関連について検討した。 小児期に発症した肥満では、β_3-アドレナリン受容体遺伝子変異(Trp64Arg)の頻度は一般成人や肥満成人に比して高くなかった。Wild型/Wild型群の身長SDは0.93±1.0SDであり、平均(0SD)やWild型/変異型群(0.15±2.0SD)に比して有意に高値であった。同群はWild型/Wild型群に比して、肥満発症年齢が高く、減食療法へ反応しない傾向があったが有意ではなかった。肥満児の体重増加率は、Trp64Arg変異によるエネルギー消費低下で予想される体重増加率より明らかに高値であった。 高率にMetSを合併するアルストレーム症候群について、本邦で初めてALMS1遺伝子異常を証明(Trp3512Ter)し得た。ALMS1のMOTIF/PSORT解析では、この変異によりALMS1蛋白のC端の核局在シグナルが欠失することが予想された。In vivo解析では、インスリン短期投与(0.1U/kg)によるPG降下率は16.8%と低下していたが、IGF-I短期投与によるPG降下率は39.7〜57.5%であり、IGF-Iによる血糖降下作用は保たれていた。 正常体重小児と小児肥満の対象において、血中高分子量アディポネクチン・低分子量アディポネクチンと各種肥満指標との関連を検討した。いずれの指標も、血中高分子量アディポネクチンとより強く逆相関した。
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Research Products
(6 results)