2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症メタボリック症候群の成因分析:遺伝性肥満をモデルとして
Project/Area Number |
19591207
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
花木 啓一 Tottori University, 医学部, 教授 (20238041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長石 純一 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (90346354)
長田 郁夫 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50252846)
神崎 晋 鳥取大学, 医学部, 教授 (90224873)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 小児肥満 / 遺伝性肥満 / 子宮内発育不全 / アディポネクチン |
Research Abstract |
メタボリックシンドローム(MetS)の罹患感受性に影響すると考えられる遺伝的要因について、本年度は、子宮内環境の変化によるMetS罹患感受性の亢進に着目して検討を加えた。子宮内胎児発育不全では,成人後に肥満やMetSを呈する頻度が高いことが知られている.つまり、胎児期の低栄養とその後の急激な体重増加が、成人後の肥満・糖尿病発症と関連しているとの知見が集積されてきた.本研究では、胎児期・新生児期の体重増加量と,周産期指標,なかでも肥満やMetSで低下するとされるアディボネクチン(Ad)との関連を検証し,将来の生活習慣病発症の危険因子となりうる周産期指標を明らかにすることを目的とした. 対象は,正常経過で正期産に至った母30例と,その母より出生した新生児30例とした.性別は男17名,女13名,出生体重2892±373.3g,出生時体重(SD)-0.69±0.87,1カ月時体重3589±632.3g,1日体重増加量37.7±15.9gであった.胎児期と新生児期の体重増加量には有意な相関は見られなかった.非妊時BMI・妊娠時最大BMI・産褥のBMI減少量は、胎児期・新生児期体重増加と有意な関連はみられなかった.胎盤重量は胎児期体重増加不良群で有意に軽量だった(p<0.05).血中総Ad値は、産褥期の母とその新生児の間で有意な相関は見られなかった.母血中総Ad値は,胎児期・新生児期体重増加と有意な関連は見られなかった.新生児のAd値(26.7±9.4μg/ml)は成人よりも著しく高値だった.新生児血中総Ad値は,胎児期・新生児期体重増加量と有意な関連はみられなかった.血中高分子Ad比率は,胎児期体重増加不良群(0.60±0.2)では良好群(0.72±0.13)に比べて低値を示した(p<0.05).胎児期体重増加不良群での血中高分子Adの減少と、将来のMetS発症リスクとの関連について、今後の詳細な検討が必要と考えられた.
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Research Products
(7 results)