2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児期発症メタボリック症候群の成因分析:遺伝性肥満をモデルとして
Project/Area Number |
19591207
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
花木 啓一 Tottori University, 医学部, 教授 (20238041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長石 純一 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (90346354)
長石 郁夫 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50252846)
神崎 晋 鳥取大学, 医学部, 教授 (90224873)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 小児肥満 / 遺伝性肥満 / 子宮内発育不全 / アディポネクチン |
Research Abstract |
本年度は、肥満の遺伝要因についての研究を実施した。 【コホート研究】メタボリックシンドローム(Mets)の罹患感受性に影響すると考えられる遺伝的要因について、脂肪細胞分化に関わる転写因子であるPPARγの多型についての検討した。 対象:多施設のコホート患者:小児期発症肥満者145名(男104例,11.8±2.7(6-18)歳,肥満度+54.0±21.5(20.5-132.3)%,女41例,10.4±2.8(5-17)歳,肥満度+61.3±29.9(21.0-169.4)%)。鳥取大学の小児期発症肥満者35名(男22例,10.2±3.4歳,肥満度+59.0±20.9%,女13例,11.6±5.0歳,肥満度+59.4±21.1%)。 方法:末梢血DNAのPCRによりβ3AR,MC4R,PPARγ多型を検索した。MC4RのCDSは全長をsequencingした。 結果:PPARγのPro12Ala,Pro115Gln,MC4Rの多型は認めなかった。PPARγのHis(C)478His(T)で、変異型C/T,T/Tは野生型C/Cに比して内臓脂肪面積、内臓脂肪面積/身長比が有意に多かった(p<0.045,p<0.032)。β3ARのTrp64Argで、変異型W/Rは野生型W/Wに比して減食への反応が弱く、黒色表皮腫が多かったが有意ではなかった。W/RよりW/Wで有意に高身長であった(p=0.03)。 考察:肥満発症に関わる遺伝子多型の迅速診断は可能になりつつあるが、エネルギー消費・摂食抑制・脂肪分化等の遺伝子機能に基づいた介入方法を確立するにはさらなるエビデンスの蓄積が必要と考えられる。 【in viitor研究】周産期の胎児期体重増加不良群では児の血中高分子量アディポネクチンが減少していることを見出し、周産期指標との関連を検討した。子宮内発育不全児の今後の体重増加と肥満発症の有無を追跡することの重要性がより明らかとなった。
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Research Products
(12 results)