2008 Fiscal Year Annual Research Report
けいれん性疾患の治療に向けた病態解明-熱性けいれん疾患感受性遺伝子の同定-
Project/Area Number |
19591212
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
中山 純子 Ibaraki Prefectural University of Health Science, 付属病院, 助教 (30433155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有波 忠雄 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (10212648)
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 付属病院, 准教授 (70251006)
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Keywords | 熱性けいれん / 遺伝子 / 遺伝子座 / 遺伝子多型 / 関連解析 / DNAチップ |
Research Abstract |
本研究では多くの熱性けいれん患者に広く共通する疾患感受性遺伝子を同定することを目的として、日本人熱性けいれん患者を発端者とする59家族、223名(うち患児112名)を対象として解析をすすめた。本年度は、5番染色体および1番染色体上の熱性けいれん遺伝子座に存在する熱性けいれん疾患感受性遺伝子の同定を試み、以下のような結果を得ることができた。 1.候補遺伝子の変異検索 昨年度、連鎖解析で1番染色体上で最大のNPL score2.60(P=0.0047)が得られた、CACNA1E遺伝子について、全49エクソンをダイレクトシークエンス法により変異検索を行った。2つのミスセンス変異・2つのサイレント変異・4つのイントロン多型が検出されたが、いずれも一塩基多型(SNP)であった。TDT法による関連解析では熱性けいれんとの関連は認められず、本遣伝子は日本人の熱性けいれん発症には関わっていないと考えられた。 2.DNAチップによる遺伝子構造変異の検索 通常行われているシークエンス法による遺伝子解析では、遺伝子の重複や欠失といった構造的な変異を同定することができない。遺伝子の重複や欠失はこれまではごく一部の先天疾患の原因と考えられてきたが、近年の遺伝学の進歩により、common diseaseを含むヒトの形質に広くかかわっている可能性が示されつつある。一部のてんかんでもチャンネル遺伝子の重複や欠失が報告されており、熱性けいれんを含めた他のけいれん性疾患の原因が遺伝子の重複や欠失である可能性が考えられる。そのため本年度は、5番染色体と1番染色体上の熱性けいれん遺伝子座領域について遺伝子の重複や欠失といった構造的な変異を検出するためにDNAチップによる遣伝子解析を行った。熱性けいれん発端者5名についてすでに実験は終了しており、現在データを解析中である。
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