2008 Fiscal Year Annual Research Report
ライソゾーム病の酵素補充療法における酵素製剤に対する免疫寛容誘導法の開発
Project/Area Number |
19591223
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
衞藤 義勝 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (50056909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 博司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90266619)
小林 正久 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20312019)
田嶼 朝子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00328337)
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Keywords | ファブリー病 / 酵素補充療法 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
本研究の目的はファブリー病酵素補充療法において酵素製剤に対する免疫応答を抑制する方法を開発することであった。平成20年度は組織特異的プロモーターでα-ガラクトシダーゼを発現させることにより免疫寛容の導入をめざした。組織特異的プロモーターとしてクラスII陽性細胞で特異的に遺伝子を発現させるMHCIIプロモーターを用いた。ファブリー病の欠損酵素であるα-ガラクトシダーゼをMHCIIプロモーターで発現するレンチウイルスベクターならびにコントロールとしてユビキタスなプロモーターであるCMVプロモーターでα-ガラクトシダーゼを発現するレンチウイルスベクターを作成した。まずin vitroでMHCIIプロモーターを用いた場合クラスII陽性細胞で特異的に発現が認められるかを検討した。 MHCIIプロモーターはクラスII陽性細胞(A20)は特異的にα-ガラクトシダーゼ遺伝子を発現させCMVプロモーターでは特異性は認められなかった。この結果を踏まえin vivoの研究を行った。造血幹細胞への遺伝子導入を試みたが十分な発現量が認められなかった。そのため直接、ウイルスベクターを静脈内に投与した。ファブリー病モデルマウスへベクター投与後6週、12週、24週後にマウスを殺し各臓器におけるα-ガラクトシダーゼ活性を測定した。するとCMVプロモーターを用いたレンチウイするスベクターの場合各臓器で酵素活性は全く得られなかったがMHCIIプロモーターを用いた場合は肝臓、脾臓において酵素活性の有意な上昇が認められた。この活性上昇は24週まで続いた。またファブリー病での蓄積物質であるグロボトリアオシルもMHCIIプロモーターを用いたレンチウイルスベクターを静脈内投与したときのみ低下が認められた。以上よりMHCIIでは感染細胞への細胞性免疫に関して抑制がかかっていることが示された。今後もし研究費が得られれば酵素をチャレンジし酵素製剤に対する免疫寛容がする研究を行う予定である。
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Research Products
(13 results)