2007 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん重積発作後の神経細胞障害におけるアストロサイトを介した制御機構
Project/Area Number |
19591224
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
竹宮 孝子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 講師 (70297547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 弘子 (財)東京都医学研究機械, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40162870)
前原 通代 東京女子医科大学, 大学病院, 主任検査技師 (90398800)
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Keywords | 神経細胞障害 / アストロサイト / 血管内皮細胞 / プロスタグランジンE2 / 誘導型PGE_2合成酵素mPGES-1 / カイニン酸 |
Research Abstract |
誘導型PGE_2合成酵素mPGES-1ノックアウトマウス(mPGES-1^<-/->)と野生型マウス(WT)の海馬内にカイニン酸(KA)を微量注入するてんかん痙攣重積動物モデルを作成し、経時的な海馬内PGE_2量、直腸温の変化および48時間後の海馬CA3領域の残存神経細胞数を比較した。WTはmPGES-1^<-/->に比べ24時間後PGE_2量は約3倍であり、残存神経細胞数が有意に少ないことがわかった。直腸温には有意な差はなかった。以上の結果より、KA投与後に海馬血管内皮細胞で誘導されるmPGES-1はPGE_2産生を増やし神経細胞障害を促進することがわかったが、そのPGE_2は体温上昇を介さず局所的に作用していることもわかった。続いて、mPGES-1^<-/->とWTの海馬組織培養を用いて、KA刺激後のアストロサイト内Ca^<2+>変化とグルタミン酸放出、PGE_2産生、神経細胞障害を比較し、神軽細胞障害における血管内皮細胞mPGES-1由来PGE2こよるアストロサイトを介した制御メカニズムを明らかにした。培養液中にKAを添加し、17時間後の海馬組織培養を用いて実験を行った。WTの組織内PGE_2量はKA無添加群に比べ有意に上昇していた。Ca^<2+>はFluo-4を用いて可視化し、アストロサイトはSR101によって標識し、アストロサイト内Ca^<2+>輝度変化を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、WTに比べmPGES-1^<-/->ではアストロサイト内Ca^<2+>輝度が低く、一定時間観察内の輝度変化も軽度であることがわかった。次に、培養液中に放出されるグルタミン酸の量を比較したところ、mPGES-1^<-/->群が有意に少ないことがわかった。また、神経細胞障害のマーカーとして頻用されているpropidium iodide(PI)染色を行い、PI取り込み率を求め細胞障害の程度をmPGES-1^<-/->とWTで比較したところ、mPGES-1^<-/->群においてPI取り込み率が有意に低いことがわかった。以上の結果から、血管内皮細胞mPGES-1から合成されるPGE_2はアストロサイトからのCa^<2+>依存性グルタミン酸放出を促進し、それが神経細胞障害の増強を引き起こしていると考えられた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Activity-Induced Protocadherin Arcadlin Regulates Dendritic Spine Number by Triggering N-Cadherin Endocytosis via TAO2beta and p38 MAP Kinases.2007
Author(s)
Yasuda S, Tanaka H, Sugiura H, Okamura K, Sakaguchi T, Tran U, Takemiya T, Mizoguchi A, Yagita Y, Sakurai T, De Robertis EM, Yamagata K.
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Journal Title
Peer Reviewed
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