2009 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん重積発作後の神経細胞障害におけるアストロサイトを介した制御機構
Project/Area Number |
19591224
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
竹宮 孝子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 講師 (70297547)
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Keywords | 誘導型PGE_<+2>合成酵素mPGES-1 / 血管内皮細胞 / プロスタグランジンE2 / アストロサイト / EPレセプター / カイニン酸 / 神経細胞傷害 |
Research Abstract |
アストロサイトの細胞内カルシウム輝度上昇を引き起こすプロスタグランジンE_2(PGE_2)レセプター(EP)のサブタイプを決定するため、mPGES-1ノックアウトマウス(mPGES-1^<-/->)と野生型マウス(WT)の海馬スライス培養を作成し、mPGES-1^<-/->たの海馬スライス培養にカイニン酸(KA)と各EP agonistを作用させたところ、EP3 agonistのみがアストロサイトのカルシウム輝度を上昇させた。また、WTの海馬スライス培養に各EP antagonistを作用させたところ、EP3 antagonistのみがアストロサイトのカルシウム輝度上昇を抑制した。さらに、ラットの海馬にKAを微量注入し、神経細胞死を引き起こす動物モデルを作成し、その脳標本を用いてEP3レセプターの海馬内細胞分布を免疫染色法によって調べたところ、KA投与群はコントロール群に比べ、血管を取り巻くアストロサイトのend footに発現が強化されることがわかった。以上の結果から、KA刺激によって血管内皮細胞で産生されたPGE_2はアストロサイトのend footのEP3レセプターを活性化してアストロサイトの細胞内カルシウム輝度上昇を引き起こすと考えられた。 さらに、WTとmPGES-1^<-/->を用いて、多発性硬化症モデル(EAE)を作成し、両群の運動障害の発症時期、重症度、症状の持続期間などを比較検討した結果、EAEの発症時期に有意差は認められなかったが、mPGES-1^<-/->はWTに比べて、症状は軽症でありその持続期間も短いことがわかった。これより、mPGES-1が合成するPGE_2は多発性硬化症の重症化、遷延化に関与することが示唆された。
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Research Products
(5 results)