2007 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病発症に自己免疫機序が関与している:モデルマウスを用いた分子相同仮説の検証
Project/Area Number |
19591229
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
中村 常之 Kanazawa Medical University, 医学部, 助教 (40340004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 淳一 金沢医科大学, 医学部, 助教 (70367473)
佐藤 仁志 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20303224)
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Keywords | 川崎病 / 自己免疫機序 / 分子相同 / ペルオキシレドキシン / ノックアウトマウス / AhpC / 冠動脈炎 / C57BL6Jマウス |
Research Abstract |
実験:1.Prx2-/-KOマウスの飼育繁殖及び管理:Prx2-/-KOマウスを飼育、繁殖させ、実験動物としては雌の3週齢のマウスを用いた。2.Prx2蛋白精製:大腸菌内、酵母内、または、バキュロウイルスベクターにクローン化したPrx2を組み込んだ、組換え融合タンパク質を作製する。発現したタンパク質を精製し、免疫原として使用する。実験系(2)はこのような予定であったが、19年度までに作成が間に合っていない。そのため、次の実験系(3)で、Prx2の代わりにBCGを使用した。3.脾臓組織摘出及び脾細胞抽出:Prx2-/-KOマウス雌の3週齢のマウスに対し、BCGを免疫し、4週間後麻酔下で屠殺し、脾臓組織を素早く摘出する。その後、摘出した脾臓組織をメタルメッシュにて脾細胞を抽出する。細胞数をPBSにて調節し、静脈内投与用とする。4.自己免疫機序を用いたマウス冠動脈炎誘発モデル作成:3週齢のマウス(C57BL/6J)に対し、BCGワクチン(菌)の皮内注射を行い、4週後、免疫獲得をツベルクリン反応にて確認する。免疫獲得後、7週齢のマウスに対して、3で作製した抗Prx2産生能のある脾細胞(この場合BCG菌の中のAhpCがPrx2と高い交差性であることを期待して)を尾静脈内へ投与し、B+KB群とする(B+:BCGの免疫施行マウス、KB:KOマウスにBCGで免疫して脾細胞抽出)。脾細胞を尾静脈内へ投与21日後マウス頚静脈から採血を行い、血清サイトカイン値の測定を行う。採血終了後マウスをエーテル麻酔下で屠殺し、心臓(上行大動脈の一部を含む)を素早く取り出し、O.C.T.compoundで包埋し、-30℃で保存する。クライオスタットを用い、凍結試料を7μm幅の連続切片にて上行大動脈方向から作製し、HE染色にて冠動脈の観察を行い、血管炎の評価を行った。結果:この結果は、非定型抗酸菌による冠動脈炎(これまでの研究成果)と同程度であり、冠動脈拡張や瘤形成に至っていない。
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Research Products
(2 results)