2007 Fiscal Year Annual Research Report
モデルマウスを用いるヒトシトリン欠損症の病態解析と治療法の開発
Project/Area Number |
19591230
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
佐伯 武頼 Tokushima Bunri University, 健康科学研究所, 教授 (10056070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 圭子 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (70108869)
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Keywords | 成人発症II型シトルリン血症(CTLN2) / シトリン欠損症 / 高アンモニア血症 / NICCD(シトリン欠損による新生児肝内胆汁うっ滞) |
Research Abstract |
申請者らは,高アンモニア血症に基づく精神神経症状を呈する成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)の病因,ならびに病因遺伝子にコードされるタンパク質(シトリン)の機能を明らかにし,さらに本遺伝子,およびmitochondrial glycero13-phosphate dehydrogenaseをダブルにノックアウトしたマウスを作成し,本疾患モデルとなりうることを示してきた。本研究では,このダブル-KOマウスの病態を解析し,治療法の開発を目指している。本年度は,本ダブル-KOマウスの育種に力を注ぎ,そのシステムを構築した。さらに本ダブル-KOマウスの特徴である,ショ糖投与による血中アンモニア濃度の上昇に対する各種の食品、物質の効果を検討した結果,(1)ショ糖だけでなく,グルコース,フルクトースなどの糖類で血中アンモニアが上昇すること,(2)アンモニアを発生しうるアミノ酸混合物(トリプトン)でまったく血中アンモニアは上昇せず,逆にショ糖による高アンモニア血症を阻止する効果が得られた。また,本条件下で血糖の上昇をも抑制することが判明した。そこで,血糖の上昇を起こさない糖質投与の効果を検討中である。以上の結果はCTLN2発症予防法の確立は可能であることを示唆している。
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