2007 Fiscal Year Annual Research Report
マリネスコーシェーグレン症候群の分子病態解明を目指した研究
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19591232
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
岡田 麻里 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所・疾病研究第一部, 研究員 (80328046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 一三 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 部長 (00332388)
林 由起子 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (50238135)
野口 悟 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (00370982)
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Keywords | マリネスコーシェーグレン症候群 / SIL1 / Rimmed vacuoles |
Research Abstract |
マリネスコーシェーグレン症候群(Mar inesco-Sjogren syndrome=MSS)は,常染色体劣性の全身性疾患であり,小脳萎縮先天性白内障,精神運動発達遅滞を三徴とするが,多くの例で筋力低下や高CK血症などの骨格筋症状を伴う.筋病理学的にはrimmed vacuole(RV)を伴う筋原性変化を認め,先天性筋ジストロフィーに分類される,近年,シャ.ペロン蛋白質,BIPのco-chaperon, BAPをコードするSIL1遺伝子の変異により引き起こされることが明らかになった.本邦での遺伝子変異検索は行われておらず,変異の頻度や遺伝子型-臨床型相関は不明である.【対象・方法】1978〜2006年までに,国立精神・神経センターで筋組織診断がなされ,臨床病理学的にMSSと診断された17例を対象とした.血液または筋肉からDNAを抽出し,SIL1の全エクソンとエクソンイントロン近傍領域の遺伝子解析を行った.【結果】17例中14例にSIL1にホモ接合型変異を認めた.1塩基置換によるナンセンス変異が1例,5塩基の欠失によるフレームシフト変異が1例,1塩基の重複によるフレームシフト変異が12例であった.見出したフレームシフト変異は,報告例のない,新しい変異であった.変異のあった14例では,病理学的には全例にRVがみられた,そのうち詳細な臨床症状が得られた11例は全例が三徴を呈していた.変異がない3例は,何れもRVは認められなかった.臨床的には2例で小脳萎縮がなく,残りの1例で極軽度の萎縮を認めるのみであった.または精神遅滞のない例であった.【結論】本邦で初めてSIL1変異を伴うMSSの患者例を見出した.SIL1変異例は,例外なく三徴を呈する典型例であり,筋病理学的には全例にRVを認めた.
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Research Products
(2 results)