2007 Fiscal Year Annual Research Report
凍結保存臍帯血由来間葉系幹細胞による移植片対宿主病治療に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
19591237
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
峯岸 正好 Tohoku University, 病院, 准教授 (20211592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 滋 東北大学, 医学系・研究科, 教授 (30124605)
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Keywords | 臍帯血 / 間葉系幹細胞 / 移植片対宿主病 |
Research Abstract |
間葉系幹細胞を用いた重症移植片対宿主病の治療法確立を目的として、臍帯血由来間葉系幹細胞の分離および体外増幅を試みた。臍帯血中に含まれる間葉系幹細胞の頻度が極めて低いとの報告があることより、分離に際しては、まずHydroxyethylstarch (HES)を用いて白血球分画を得、次に大豆凝集素(SBA)を用いて間葉系幹細胞を濃縮するという手法を用いた。対象とした臍帯血は宮城さい帯血バンクより研究用として提供された11件であり、SBA+分画およびSBA-分画(細胞数は平均値でそれぞれ1.34(0.30-1.94)x10^8,1.97(0.28-4.47)x10^8、回収率は平均値でそれぞれ26.3%,37.2%であった)をDMEM (low glucose)培地またはMesen Cult培地に浮遊し、細胞培養ディッシュに播種した後、37℃,5%CO_2インキュベーターにて培養した。しかしながらこの方法ではいずれの臍帯血においても間葉系幹細胞の増生は認められなかった。そこで、HES分画により得られた濃縮白血球からFicoll-Paque比重遠心法により単核球を分離し、同様にDMEM(lowglucose)培地またはMesen Cult培地に浮遊し、Dexamethasone(10^<-7>)存在下に間葉系幹細胞培養用にスクリーニングされた胎児牛血清(FCS)を10%にて添加して培養したところ、10%FCS加Mesen Cult培地にて培養した12件の臍帯血のうち10件において、線維芽細胞様の形態を有する付着性の細胞の増生が認められた。線維芽細胞様の付着性細胞の増生確認後はDexamethasone非存在下に培養を継続し、70-80%confluentになった段階でフローサイトメトリー法によりこれらの細胞の表面マーカーを解析したところ、CD166,CD105,CD44,CD29が陽性であることが確認された。
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