2008 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクスによる微少変化型ネフローゼ症候群の病因解明へのアプローチ
Project/Area Number |
19591238
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森川 昭廣 Gunma University, 名誉教授 (40125878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 浩一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50272232)
小林 靖子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60451720)
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Keywords | 微少変化型ネフローゼ症候群 / 病因 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / ヘルパーT細胞 / マイクロアレイ / 単球 |
Research Abstract |
微少変化型ネフローゼ症候群(以下MCNS)は大量の蛋白尿を呈する疾患であり、その病因はT細胞の機能異常であるという仮説が提唱されてきたが、詳細は解明されていない。本研究はマイクロアレイによるゲノムワイドなメチル化解析法(Microarray-based Integrated Analysis of Methylation by Isoschizomers(MIAMI)法)を用いて、MCNS再発時と寛解時の同一個体のゲノムDNA間でDNAメチル化の状態に差がある遺伝子座があるかを検討するものである。メチル化の状況に差のある部位を認めた場合には、遺伝子座の位置を同定し、その働きについて検討することで、MCNSの病因を探るとともに、MCNS発症のメカニズムにせまることを目的とする。 1)検体の収集:群馬大学附属病院および関連施設において、International Study of Kidney Disease in Childrenの診断基準を満たすステロイド感受性のMCNS患者の発症時と寛解時に、倫理的側面に充分配慮して、同意の得られた患者及び健常コントロールから末梢血を採取、収集した。 2)ナイーヴTh細胞、単球の分離:収集した末梢血から比重遠心法にて単核球を分離した。磁気ビーズ細胞分離システムを用いて、CD14陽性分画は単球として、CD14陰性分画のうちCD4陽性分画はヘルパー細胞、そのうちCD45RO-分画をナイーヴT細胞として分離し、ゲノムDNAを抽出した。 3)MIAMI法によるDNAメチル化の検討:単球では再発-寛解間でDNAメチル化頻度に差を認めなかった。ナイーヴT細胞では寛解時に比較して再発時に優位に低いメチル化頻度を示す遺伝子領域が3か所(3遺伝子)検出された。さらにMCNS再発を健常人コントロールと比較した解析においても同3遺伝子は同様に低いメチル化頻度を示した。
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Research Products
(3 results)