2007 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血線維細胞の機能解析による気道リモデリングの評価法の確立
Project/Area Number |
19591245
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大嶋 勇成 University of Fukui, 医学部附属病院, 講師 (40303391)
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Keywords | 気道リモデリング / 線維細胞 / ロイコトリエン / 気管支喘息 |
Research Abstract |
損傷組織の修復と線維化に関与する繊維細胞は、喘息の気道リモデリングにも関与していると推測されている。線維細胞の機能の制御機構は不明の点が多いことから気道リモデリングに作用する重要な因子の一つであるロイコトリエンD4(LTD4)が線維細胞の機能に与える影響について解析した。ヒト末梢血単核細胞をフィブロネクチンをコートしたプレートで培養し、浮遊細胞を除去した後、PDGF-BBを添加してさらに2週間培養し、線維細胞を分離回収する。回収した線維細胞をロイコトリエンD4存在下で培養し、mRNA発現、培養上清中のサイトカイン産生、細胞マーカーを測定した。その結果、線維細胞は構成的にCysLT1R,CysLT2RのmRNAを発現しているが、蛋白レベルではCysLT2Rを主に発現していた。1μMまでのLTD4は生細胞数に影響を与えなかったが、線維細胞の筋平滑筋への分化のマーカーであるα・smooth muscle actin、Calpaine、collagen Iの発現やVEGF、angiogenin、TGF-β1のmRNA発現、IL-6、TNF-α産生は、LTD4の濃度依存性に抑制された。しかし、活性化T細胞に発現されるCD40Lからの刺激の代わりに可溶性sCD40L刺激による線維細胞のIL-6、TNF-α産生にはLTD4は影響を与えなかった。LTD4は活性化T細胞による線維細胞の活性化を抑制しないが、非存在下では繊維芽細胞様形質の発現と増殖因子産生を抑制することで、気道炎症に伴う気道リモデリングの組織修復過程に影響を与える可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)