2007 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞・臓器移植後に発生する難治性ウイルス感染症の早期発見・予防法の確立
Project/Area Number |
19591247
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 宏 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30303621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 哲也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40303820)
伊藤 嘉規 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20373491)
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Keywords | 造血幹細胞移植 / 臓器移植 / マルチプレックス・リアルタイムPCR法 / EBV / CMV / HHV-6 |
Research Abstract |
造血幹細胞・臓器移植後の免疫不全状態に伴って、様々なウイルス感染症が合併する。これらの早期発見・治療効果判定法は未だ標準化されていない。本研究の目的は、マルチプレックス(複数・同時測定)定量PCR法による複数ウイルスの同時モニタリングシステムを確立・標準化することである。複数ウイルスを同時解析することで、免疫不全状態におけるこれらウイルス疾患の発生機構を解明し、予防および効果的な治療に役立てることを目指している。今回、我々はEpstein-Barr virus(EBV)、cytomegalovirus(CMV)、およびHHV-6の3つのウイルスに対してそれぞれ別の蛍光色素で標識した、プローブを用い、同一チューブ内で同時測定するマルチプレックス・リアルタイムPCR法を世界に先駆けて確立した。EBV BALF5領域、CMV IE2領域、HHV-6 U31領域にプライマー及びプローブを設定した。これらの領域を組み込んだプラスミドを各々構築し、定量の標準コントロールとした。コントロールプラスミドを用いて標準曲線を作成したところ、各ウイルス5〜5×10^6copyの範囲で良好な直線が得られ、検出限界は2copy/assayであった。また、シングル及びマルチプレックスの定量結果を比較したところ、各ウイルス共に強い相関が見られ、両測定系に差はないことが分かった。以上より、マルチプレックス・リアルタイムPCR法によるEBV、 CMV、 HHV-6の同時検出システムはそれぞれを単独で検出する従来の方法と比べて定量性に差はなく、有用な測定系であることが示された。本法を用いることで、3種類の異なったウイルスを同時に測定できるのみならず、測定時間の短縮、労働の減少も期待できる。直接経費だけでなく人件費も大幅に削減できるため、幅広く移植医療で応用される可能性が高い。このシステムによって、より簡便・迅速な移植後ウイルス感染症のモニタリングが可能となると考えられた。
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Research Products
(7 results)