2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人におけるBCG副反応および抗酸菌易感染性に関連する宿主遺伝要因の探索
Project/Area Number |
19591254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 由佳 Kyushu University, 大学病院, 特別教員 (00444810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 浩一 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20243941)
高田 英俊 九州大学, 大学病院, 特任准教授 (70294931)
保科 隆之 九州大学, 大学病院, 医員 (30398078)
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Keywords | BCG / 副反応 / 抗酸菌 / 易感染性 / 宿主遺伝要因 / IFN-γ / IL-12 / Th1 |
Research Abstract |
BCG重症副反応を含む抗酸菌易感染例を今年度新たに11例集積した(BCG骨髄炎8例、重症結核2例、非定型抗酸菌感染症1例)。このうち2009年1月までに検体が得られた9例について、Interleukin (IL)-12/Interferon (IFN)-γ経路の分子であるIFN-γ receptor 1(IFN-γR1)(IFNGR1遺伝子)、IFN-γR2(IFNG2遺伝子)、IL-12 p40(IL12B遺伝子)、IL-12Rβ1(IL12RB1遺伝子)、 sigllal transducer and activator of transcription 1 (STAT-1)(STAT1遺伝子)およびtoll-like receptorやNOD-like receptorからの自然免疫シグナル伝達に関与するNF-κB essential modulator (NEMO)(NEMO遺伝子)の全エクソンおよび全イントロンのエクソン隣接領域の塩基配列を網羅的に解析した。その結果、1例においてNEMO遺伝子にアミノ酸置換を伴う新規遺伝子変異が認められた。この変異と抗酸菌易感染性との関連について、現在in vitroでの機能解析を行っている。昨年度までに集積し、IFNGR1遺伝子の解析が完了している抗酸菌易感染例42症例のうち12例(BCG骨髄炎を含む重症BCG副反応9例、深在性非定型抗酸菌感染症3例:全例IFNGR1遺伝子の変異なし)について、上記と同様にIFNGR2、IL12B、 IL12RB1、 STAT1、 NEMOの各遺伝子の塩基配列の解析を行ったが、遺伝子変異は認められなかった。日本人においては、BCG重症副反応を含む抗酸菌易感染性にはIL-12/IFN-γ経路の以外の遺伝的要因の関与のほうが大きいと考えられる。
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