2007 Fiscal Year Annual Research Report
慢性活動性EBウイルス感染症の感染細胞特性と治療に関する研究
Project/Area Number |
19591255
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大賀 正一 Kyushu University, 大学病院, 准教授 (60233053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敏浩 九州大学, 大学病院, 講師 (70343324)
田中 珠美 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (60423547)
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Keywords | EBウイルス / リンパ増殖性疾患 / 感染細胞 / 免疫不全症 |
Research Abstract |
慢性活動性EBウイルス感染症(Chronin active Epstein-Barr virus infection:CAEBV)患者の治療確立をめざして、持続的に活性化している感染細胞(EBV陽性T/NK細胞)の特性を解析した。本年度は、病勢の進行に応じて重症例の造血細胞移植を継続するとともに、新規発症患者についても、同様にEBV DNA量が最も多い細胞亜群を同定し、活性化の程度の確認を続けている。現在、本症は造血幹細胞移植が唯一の根治療法であるが、その生命予後を左右する重篤な3大臓器病変は、神経、心血管および腸管であることが示唆されている。肝障害と発熱を繰り返し、次第に増悪したが、これらの臓器障害がない患児に対して、骨髄非破壊的前処置後にHLA一致同胞から骨髄移植を行った。移植後は発熱を含め移植関連合併症はみられず経過し、骨髄の完全生着とEBV感染細胞の排除を得た。一方、患者由来の細胞増多のない脳脊髄液におけるEBV DNA量の意義を本症の神経合併症患者に於いて検討し、神経症状のない時期からすでに、脳脊髄液にEBV量が上昇している例がみられること、さらに、末梢血よりも脳脊髄液でEBV量が高い値を示し、これは中枢神経におけるこのウイルスの再活性化と感染細胞の浸潤を示唆する例であることを文献報告した。また、心合併症例においても検討し、冠動脈病変が造血幹細胞移植後に感染細胞を排除できた2例において正常化したことを報告して、投稿中である。現在、患者のさまざまなリンパ球亜群においてEBV感染の解析がすすみ、前駆細胞レベルに広げつつある。
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Research Products
(11 results)