2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナンセンス変異により発生する中途ストップコドンの除去機構の解明と応用
Project/Area Number |
19591256
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
栗林 太 Nagasaki University, 熱帯医学研究所, 准教授 (60251443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 三千男 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30091276)
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Keywords | 活性酸素 / NADPH オキシダーゼ / 慢性肉芽腫症 |
Research Abstract |
好中球NADPHオキシダーゼの遺伝子異常により好中球、好酸球、単球とBリンパ球は活性酸素を生成できなくなる。そのために慢性肉芽腫症(CGD)は細菌感染を繰り返す。この酵素は蛋白質複合体から構成され、その内gp91phoxだけはX染色体にコードされるのでCGDの多数をしめる。遺伝子異常の多くはNon-sense mutationによる中途ストップである。この中途ストップが存在する遺伝子から転写翻訳される異常蛋白質の発現を防ぐ生体防御機構の1つにmRNAレベルでのNonsense-mediated Altered Splicing(NAS)が存在する。NASにより中途ストップが生じた変異を含むexonは取り除かれ、それから翻訳された蛋白質は完全長ではないものの、機能がある程度保持される可能性がある。私共はCGDの疾患原因を研究し、本応募課題のもと、昨年度、初めてCGDにおけるNASを明らかにし、本年度にかけて、その詳しい解析を行なってきた。即ち、gp91phoxのexon5やexon3に中途ストップが存在する変異を持つCGD患者のgp91phoxには、NASの機構により、当該exonを丸ごとスキップしたmRNAが存在し、活性酸素生成能も微弱ながら保持していた。このように、CGD患者好中球が生成する活性酸素は微弱であることから、本応募課題を進めるには、さらに微量活性酸素の検出法を開発する必要があり、応募者等は化学発光法と細胞接着を利用した新規な方法により、従来の100倍感度がよく、定量性にも優れた方法を開発した。
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Research Products
(5 results)