2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト造血幹細胞の加齢に関する研究-造血幹細胞の年齢測定法の確立-
Project/Area Number |
19591257
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
河野 嘉文 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20260680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 康裕 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30398002)
平尾 敦 金沢大学, がん研究所, 教授 (90343350)
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Keywords | 造血幹細胞 / 加齢 / バイオマーカー / CD133陽性細胞 |
Research Abstract |
マウス造血幹細胞の加齢は細胞内活性酸素により規定されていることから、加齢に伴いヒト造血幹細胞の細胞内活性酸素が上昇するのではないかと仮説し研究を行った。細胞内の活性酸素をフローサイトメトリーでdichlorodihydrofluorescein diacetate(DCFH-DA)で染色し蛍光強度を測定した。ヒト造血幹細胞はCD133で同定したが、0〜30歳までの加齢にともなう細胞内活性酸素の上昇は認めなかった。同様にマウスで移植された細胞はテロメア長が短縮するとので、ヒト骨髄移植前後で細胞内の活性酸素を測定したが上昇を認めなかった。また、ヒトの皮膚の加齢により、細胞周期に関連するp16の増加を認めたとの報告から、ヒト造血幹細胞においてp16の上昇を認めるかをフローサイトメトリーで検索したが、p16の発現をフローサイトメトリーで確認できなかった。 以上のように、マウスで加齢のマーカーとされる現象はヒトでは検出されず、ヒト皮膚で観察される変化もヒト造血幹細胞は検出できなかった。造血細胞ではマウスの寿命とヒトの寿命の違いが反映されていると考えられるが、ヒトでは皮膚の細胞サイクルと造血細胞のサイクルの違いかと推定される。今後はmRNAレベルでKU-antigen70kD(KU70)、microsomal glutathione S-transferase 1(MGST1)、BCL2-interacting killer(BIK)での検討を行うと同時に、ヒト細胞で加齢を促進させる物質等の利用を試みることにしている。
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