2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽細胞腫の腫瘍幹細胞が持つ細胞特性に基づく治療の確立
Project/Area Number |
19591261
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
青山 峰芳 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 講師 (70363918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 清文 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70212462)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / 腫瘍幹細胞 / 神経幹細胞 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
申請者は神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞および正常組織由来神経幹細胞の細胞特性を解析し、神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞と神経幹細胞との類似点と相違点を明らかにすることで、神経芽細胞腫の悪性化メカニズムを解明することを目的に研究を進めている。近年、Mansfordらはヒト由来神経芽細胞腫の腫瘍初期化細胞の存在を明らかにし、神経幹細胞の培養方法と同様な培養条件でneurosphereに類似した腫瘍塊を形成させて腫瘍初期化細胞を単離する方法を報告した(Cancer Res. 67: 11234-43, 2007)。正常の神経幹細胞の単離については、すでに胎生14日齢のマウス全脳および日齢21日の成体マウス側脳室外側からneurosphere法によって神経幹細胞を単離した。抗nestin抗体を用いた細胞染色によって神経幹細胞由来のneurosp hereであることを確認し、total RNAを回収し保存した。一方、神経芽細胞腫由来腫瘍幹細胞についても同様にneurosphere法により幹細胞集団の回収を試みたが、sphereを形成する細胞集団を確認できなかった。株化した神経芽細胞腫株の中にはヒト神経芽細胞腫摘出腫瘍内に見られる腫瘍初期化細胞がほとんど存在しない可能性が示唆された。細胞株は頻回な継代培養の過程の中で腫瘍初期化細胞が消失していることが考えられた。今後は、ヒト神経芽細胞腫摘出腫瘍由来の腫瘍幹細胞とヒトips細胞由来神経幹細胞との比較を行い同様な解析を継続する計画である。
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