2010 Fiscal Year Annual Research Report
人工ヒト型抗ロタウイルス中和抗体を利用した、感染防御・治療法の開発
Project/Area Number |
19591266
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
守口 匡子 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60298528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
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Keywords | ファージ抗体 / HRV / ヒト型抗体 / モノクローナル / 交叉反応性 / HuNov |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ファージ抗体ライブラリーから、ヒトロタウイルス(HRV)を中和するヒト型のモノクローナル抗体12クローンを単離し、代表的な3クローンの詳細な解析を行って、2クローンが交叉反応性抗VP4中和抗体、1クローンがG1タイプ特異的中和抗体であること、これら3抗体が認識するVP4及びVP7上の中和エピトープは、これまで報告されているマウスの抗HRV抗体のそれらと異なること、マウスのモデル実験系においてこれら3抗体に受動免疫効果があることを確認した。更に、これら抗体の、HRV感染の場である腸管における持続的供給を目指し、乳酸菌による抗体発現系の確立を試み、上記3抗体のうちの1抗体のみではあるが、ヒト型抗体の発現が可能であることを明らかにし、人工ヒト型抗ロタウイルス中和抗体による、感染防御・治療法開発への足がかりを築いて来た。今年度は、このノウハウを生かし、ウイルス性胃腸炎のもう一つの主要な原因ウイルスであるヒトノロウイルス(HuNoV)に対するヒト型ファージ抗体の単離に着手した。HuNoVの培養細胞系は樹立されていないため、スクリーニングの抗原には、バキュロウイルス発現系で作製した、Narita 104株(GII/4タイプ)のウイルス様人工空粒子(VLP)を精製して用いた。その結果、GII群内に広い交叉反応性を示す2つの抗体が単離された。現在、抗体が認識する、ウイルスタンパク質上の交叉反応性エピトープの同定とともに、Chiba株(GI/4タイプ)のVLPを抗原に用い、GI群内はもとより、GIとGIIの群横断的交叉反応性を示す抗体の単離を目指している。
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