2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591268
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
宇理須 厚雄 Fujita Health University, 医学部, 教授 (20193972)
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Keywords | 鶏卵アレルギー / 免疫療法 / オボムコイド減量加熱全卵 / TGF-βmRNA / IFN-γ / IP-10mRNA / IL-4も、mRNA / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
鶏卵アレルギー患者に対する免疫療法の有効性ならびに味をを向上させる目的で、オボムコイド減量加熱卵白クッキーと比べるとオボムコイドの含量を約4倍増加させたオボムコイド減量加熱全卵を作製した。本研究では、これを用いた新たな免疫療法を試みた。実薬群の耐性化率は、1ヵ月で6/23(26.1%)、2ヵ月で9/23(39.1%)であり、偽薬(パンプキンデンプン)群では1/11(9.1%)であった。免疫療法に伴う卵白特異的IgG、IgG4、IgA、IgE及び総IgEの検討では、卵白特異的IgG4だけが、免役療法前(1.6±2.1mg/L)に比べ、耐性が成立すると増加する(3.9±3.1mg/L)傾向が認められた(p=0.046)。INF-γは、細胞質内サイトカイン陽性細胞(%)が、治療前に比べ治療1ヵ月後、2ヵ月後で低下する傾向を認めた。これを反映して、IFN-γによって誘導されるIP-10mRNAも、治療によって耐性化すると、発現が低下していた(p=0.002)。IL-4も、mRNA発現が治療後3ヵ月で低下する傾向が認められた。抑制性サイトカインでは、細胞質内IL-10陽性細胞(%)および培養上清のIL-10が、治療前に比べ治療1ヵ月後、2ヵ月後で低下する傾向を認めた。TGF-βmRNAは治療後1ヵ月に比較して、治療後3ヵ月で増加する傾向が認められた。Th1/Th2の両者の抑制が見られ、これに関与する抑制性サイトカインでは、IL-10が免疫療法によりむしろ低下するのに対し、TGF-βが増加する傾向を認め、本治療法でのTh1/Th2の両者の抑制に、TGF-βが関与する可能性が示唆された。ただし、再現性よく検出される卵白特異的IgG4の増加とIL-10の低下は、相反する結果であり、今回の検討では初期のTh1の増強が認められなかった点も含め、さらに症例を増やし検討する必要があると考えられた。
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