2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児T細胞型造血器腫瘍のNOTCH1を中心とした遺伝子解析とその臨床応用
Project/Area Number |
19591270
|
Research Institution | Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
朴 明子 Gunma Institute of Public Health and Environmental Sciences, 研究企画係, 研究員 (50450375)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 泰秀 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (30238133)
|
Keywords | 遺伝子 / ゲノム / マイクロアレイ / 癌 |
Research Abstract |
PTEN遺伝子は10q23.3に座位し、いくつかの固形腫瘍で遺伝子異常が報告され、癌制御遺伝子とされている。今年度は日本白血病治療委員会で治療したT-ALLとT-NHLにおけるPTEN遺伝子の異常と臨床像の関係を検討した。またAffymetrix社のSNP特異的オリゴヌクレオチドプローブの500kのGene Chipを用い、T-ALLとT-NHLの発症と進展に関与する新規遺伝子の抽出を行い、その遺伝子の機能解析および予後との相関を検討した。 PTEN遺伝子の解析では、T-ALL細胞株9株中4株(44.4%)、T-ALL新鮮検体50例中8例(16.0%)、T-NHL17例中2例(11.7%)に異常がみられた。予後との相関は明らかではなかったが、臨床像との関係の詳細な検討を進めている。PTEN遺伝子異常のみられた細胞株4株と新鮮検体2例に、同時にNOTCH1遺伝子の異常を認めた。PTENとNOTCH1の両方の変異がみられる症例の存在より、NOTCH1からのシグナル経路とPTENからの経路が異なることも想定され、下流のAKT/PI3経路の遺伝子の異常の検索を進行中である。 Gene Chipを用いたSNPアレイの解析では、T細胞受容体領域(7q35、14q11)の増幅と欠失以外に、6q、9p、11p、17p13等のホモ欠失やuniparental disomy(UPD)がみられ、このうち9p欠失領域にはp16/p15遺伝子のホモ欠失とUPDが同定され、11p13ホモ欠失領域ではWTI遺伝子が同定された。T-ALL50例とT-NHL17例における、WT1遺伝子の変異の検索では5例に変異がみられ、そのうちUPDが4例にみられた。WT1遺伝子以外に2つの新規遺伝子のホモ欠失とUPDをみい出し、いずれもT細胞の分化や増殖に関与する遺伝子であった。これらの遺伝子の変異解析と機能解析は進行中である。
|
Research Products
(55 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 東京小児がん研究グループ急性リンパ性白血病第16次治療研究におけるマーカー中央診断2009
Author(s)
清河信敬, 恩田恵子, 平林真介, 飯島一智, 福島敬, 齋藤正博, 藤本純一郎, 真部淳, 康勝好, 熊谷昌明, 小原明, 林泰秀, 花田良二, 土田昌宏
Organizer
第51回日本小児血液学会、第25回日本小児がん学会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2009-11-27
-
[Presentation] TCCSG-L1602治療研究におけるDay8末梢血-芽球数のフローサイトメトリー測定についての評価2009
Author(s)
恩田恵子, 平林真介, 清川信敬, 齋藤正博, 森鉄也, 福島敬, 藤本純一郎, 真部淳, 康勝好, 熊谷昌明, 小原明, 林泰秀, 花田良二, 土田昌宏
Organizer
第51回日本小児血液学会、第25回日本小児がん学会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2009-11-27
-
-
[Presentation] 21 trisomyと小児急性リンパ性白血病2009
Author(s)
加藤元博, 滝田順子, 朴明子, 真田昌, 川俣紀彦, Claus Bartrum, H Phillip Koeffler, 菊地陽, 五十嵐隆, 小川誠司, 林泰秀
Organizer
第51回日本小児血液学会、第25回日本小児がん学会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2009-11-27
-
[Presentation] 神経芽腫における短縮型ALKによる活性化2009
Author(s)
加藤元博, 滝田順子, 陳玉彦, 大木健太郎, 西村力, 真田昌, 井田孔明, 菊地陽, 小川誠司, 林泰秀, 五十嵐隆
Organizer
第51回日本小児血液学会、第25回日本小児がん学会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2009-11-27
-
[Presentation] 固形腫瘍におけるALK遺伝子の解析2009
Author(s)
大木健太郎, 滝田順子, 陳玉彦, 西村力, 加藤元博, 金兼弘和, 大喜多肇, 藤本純一郎, 真田昌, 菊地陽, 五十嵐隆, 林泰秀, 小川誠司
Organizer
第51回日本小児血液学会、第25回日本小児がん学会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
2009-11-27
-
-
-
-
[Presentation] 小児急性骨髄性白血病におけるWT1遺伝子変異と臨床像2009
Author(s)
佐野弘純, 久保田知里, 朴明子, 嶋田明, 外松学, 滝智彦, 田渕健, 多和昭雄, 堀部敬三, 土田昌宏, 花田良二, 月本一郎, 林泰秀
Organizer
第71回日本血液学会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2009-10-25
-
-
-
-
-
[Presentation] 東京小児がん研究グループにて1981年から1999年の5つの研究に登録された小児急性リンパ性白血病2035例の長期追跡結果2009
Author(s)
土田昌宏, 小原明, 花田良二, 真部淳, 熊谷昌明, 高橋浩之, 金沢崇, 藤村純也, 富澤大輔, 康勝好, 嶋田博之, 森鉄也, 後藤裕明, 福島敬, 小池和俊, 野口靖, 小川千登世, 犬飼岳史, 福島啓太郎, 塩原正明, 加藤陽子, 前田美穂, 菊地陽, 梶原道子, 矢部晋正, 外松学, 太田節雄, 磯山恵一, 金子隆, 林泰秀
Organizer
第71回日本血液学会
Place of Presentation
京都
Year and Date
2009-10-23
-
-
[Presentation] 各種腫瘍における高密度SNPアレイを用いた網羅的ゲノムプロファイリング2009
Author(s)
松原亜以子, 加藤元博, 真田昌, 滝田順子, 千葉滋, 林泰秀, 小俣政男, 小林幸夫, 渡邉俊樹, 石川雄一, 吉野正, 小川誠司
Organizer
第68回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2009-10-03
-
[Presentation] 小児固形腫瘍におけるALK遺伝子の増幅と変異2009
Author(s)
滝田順子, 大木健太郎, 西村力, 加藤元博, 陳玉彦, 真田昌, 金兼弘和, 大喜多肇, 藤本純一郎, 菊地陽, 五十嵐隆, 林泰秀, 小川誠司
Organizer
第68回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2009-10-03
-
-
[Presentation] 小児固形腫瘍におけるALK阻害剤の感受性2009
Author(s)
本村あい, 滝田順子, 大木健太郎, 西村力, 加藤元博, 陳玉彦, 真田昌, 菊地陽, 五十嵐隆, 林泰秀, 小川誠司
Organizer
第68回日本癌学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2009-10-03
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-