2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児悪性リンパ腫におけるp27発現調節とp27ペプチド療法による抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
19591273
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
中川 温子 National Research Institute for Child Health and Development, 臨床検査部, 医長 (90227736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60109759)
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Keywords | p27 / 小児悪性リンパ腫 / ペプチド療法 |
Research Abstract |
悪性リンパ腫細胞株における細胞周期関連分子(p14,p16,p21,p27,Rb,phosopho-Rb)の発現についてウエスタンブロット法にて検索した。Anaplastic large cell lymphoma(ALCL)細胞株ではRb/phospho-Rb,p27は4株とも発現が認められた。Burkitt lymphoma(BL)7株においては、全ての株でp16^<INK4a>発現がなく、Rb/phospho-Rbは過剰発現の傾向がみられた。p21,p27発現については細胞株の間でばらつきがあり、一定の傾向を示さなかった。ALCLでは、SCIDマウスに腫瘍を形成するDEL,SR786, Karpas299ではp16^<INK4a>の発現が認められなかったが、SCIDマウスに腫瘍を形成できないSu-DHL1ではp16^<INK4a>の発現が認められたことは興味深い。ALCLは、臨床的にも非常にaggressiveな経過をとるものや、寛解導入されるものの再発を繰り返す例など、多様であり、発がんに関わる分子機序が異なるものが含まれている可能性がある。p16^<INK4a>機能ペプチドによる腫瘍増殖抑制効果は、DELのみでなく、Su-DHL1においても認められ、トランスポーターペプチドを用いることにより、細胞内導入が効率的に行われた。今後、これらの増殖抑制がp16^<INK4a>機能ペプチドが機能的にp16^<INK4a>を補っているかどうかを確認するため、p16^<INK4a>機能ペプチド投与時のRbのリン酸化抑制を検討する予定である。In vivoにおける腫瘍増殖抑制効果をSCIDマウスxenograftを用いて検討しているが、局所皮下投与では、効果が不明瞭であったため、投与量、投与方法を検討中である。
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Research Products
(3 results)