2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞・コンドロイチナーゼ併用投与による周生期脳損傷修復機構の解明
Project/Area Number |
19591290
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
中西 圭子 Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 周生期学部, 主任研究員 (50280813)
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Keywords | 新生児低酸素性虚血性脳症 / 神経幹細胞 / oxygen glucose depletion / ニューロン・グリア共培養 / コンドロイチナーゼ |
Research Abstract |
新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)などの周生期脳障害に対する治療法は、脳低体温療法はあるものの重症例には効果がなく、新規治療法の開発は急務の課題となっている。これまでに私たちは、ラットHIEモデルを用いて、神経幹細胞移植とともにコンドロイチナーゼという酵素を投与するとHIEによる脳梗塞が軽減することを発見したが、その機序は不明のままである。今後、本治療法を臨床的に応用していくためには、この機序を明らかにする必要がある。本研究では、神経幹細胞・コンドロイチナーゼ併用投与による周生期脳損傷修復の分子機構を明らかにするとともに、神経幹細胞由来神経保護因子を同定し、周生期脳損傷の新たな治療法として利用することを目的としている。 本年度は昨年度に引き続き、hypoxia-ischemia in vitroモデル系について検討した。野生型ラット由来アストロサイト上にGFPラット由来胎仔ニューロンを培養し、2週間後に無グルコース・低酸素処理(oxygen glucose depletion;OGD)を行った。この方法では、GFPの蛍光を発する細胞数を数えることにより、簡便に生存ニューロン数を比較することができる。この系において6時間のOGD負荷により、アストロサイトは生存しているがGFP陽性ニューロンの生存数が激減することがわかった。今後は、この系を用いて、神経幹細胞・コンドロイチナーゼ併用投与の効果についてin vitro系でも確認するとともに、その機序を探索し、新規神経保護因子の同定をめざす。
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