2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591294
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山本 明美 Asahikawa Medical College, 医学部, 准教授 (30241441)
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Keywords | 魚鱗癬 / 角化症 / 角化 / 遺伝子異常 / 角化細胞 / 免疫電顕法 / モデル動物 / 超微構造 |
Research Abstract |
角化異常症の病態を解明するために平成20年度に行った主な研究成果は次のようにまとめられる。 1. ARC症候群は細胞内の物質輸送に関与する分子VPS33Bによる遺伝性疾患であるが、ほぼ魚鱗癬が必発である。我々は今回、患者皮膚を初めて電顕的に研究したところ、層板顆粒の細胞外分泌障害が顕著であり、VPS33Bの皮膚における機能を明らかにすることができた。 2. ヒト皮膚の層板顆粒の成分のプロテオミクス解析をはじめておこなった。983個のタンパクを同定し、このうち新規の層板顆粒関連分子として細胞内小器官と微小管の相互作用に関与するCHP-170を同定した。この分子の層板顆粒の細胞内輸送における役割が示唆された。 3. 頭髪異常、神経学的異常、内分泌障害をともなう新規の常染色体劣性遺伝性疾患がリボソーム合成に関与する核小体分子RBM28の発現低下によることを発見した。患者の線維芽細胞ではリポソームの減少と租面小胞体の内腔の拡大がみられ、本症の病患が解明された。 4. コルネオデスモシンは表皮と毛のみで発現するタンパクであるが、その機能はよくわかっていなかった。この分子のノックアウトマウスを作製したところ、致死的であり、表皮角層間の接着の障害が生じていた。このことから本分子が生存に不可欠な細胞間接着機能をになっていることが明らかとなった。また発毛の異常もみとめられ、本分子の毛発生における機能も示唆された。 5. Megeli-Franceschetti-Jadassohn症候群ではケラチン14分子の発現低下によって、角化細胞がTNF-α刺激に対し、アポトーシスを起こしやすくなっていることを報告した。
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