2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19591294
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山本 明美 Asahikawa Medical College, 医学部, 准教授 (30241441)
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Keywords | 魚鱗癬 / 角化症 / 角化 / 遺伝子異常 / 角化細胞 / 免疫電顕法 / モデル動物 / 超微構造 |
Research Abstract |
1.2009年度はまず2008年度までの研究で明らかにすることのできた新しい角化症の病態形成機構をまとめ、招請講演などで報告した。また総説論文として投稿中である。 その主な内容は、表皮の角質細胞の形成とその剥離の機序の理解を助けるために単純化したモデルを提唱し、角化症の病態を理解しやすくするものである。ここでは顆粒細胞内の層板顆粒とその輸送系、デスモゾーム(コルネオデスモゾーム)の構成成分、それを分解する酵素であるカリクレイン、およびそのインヒビターであるLEKTIの役割を主体に議論している。 従来、表皮角層はレンガとモルタルに例えられてきた。ここではレンガは角質細胞、モルタルは角層細胞間脂質である。しかしこのモデルには角層細胞間の接着構造であるコルネオデスモゾームに相当する構造が欠落しており、このために理解しにくかったいくつかの角化症の病態も、今回の我々の角化モデルで容易に説明できた。今後はさらにこれを、角化に関連するその他の要因の関与も含めたモデルへと発展させ、多彩な角化異常症を理解しやすくしていくべく2010年度の研究を遂行する。 2.他施設からよせられた難治性皮膚疾患の臨床、病理形態像からその原因、病態を解明した。具体的にはこれまで全く原因が不明であったcomedonal Darier diseaseと、新規の遺伝性疾患macrocephaly, alopecia, cutis laxa, and scoliosis (MACS syndromeと命名)の原因がそれぞれ小胞体に局在するカルシウムポンプの遺伝子ATP2A2、と細胞内小胞輸送の調節に関与すると推定される遺伝子RIN2であることを報告した。
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