2007 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAを用いSTAT6を標的とした皮膚アレルギー疾患の遺伝子療法
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19591297
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横関 博雄 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90210608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 貴浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30235361)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 核酸医薬 / 干渉RNA / STAT6 / TH2 / ケモカイン |
Research Abstract |
当教室では、Th2型反応のシグナル伝達に重要な役割を果たす転写調節因子STAT6を制御するSTAT6decoy oligodeoxynucleotides (ODNs)が、アトピー性皮膚炎の皮膚炎症を制御しうることを明らかにしている。一方、RNA干渉(RNAi)がdecoy ODNsを使用するより効率のよい遺伝子抑制手毅であることが近年報告されており、種々の疾患の遺伝子療法のツールとして注目されている。今年度は、このRNAiを利用することによりSTAT6をターゲットとしたアトピー性皮膚炎の遺伝子治療法開発するため、RNAiを誘導するためのsmall RNAの設計を行い、さらにin vitroでの効果を検討した。STAT6に対するRNAiを誘導するためのsmall RNAであるSTAT6 siRNAあるいはSTAT6 shRNA (short hairpin RNA)の作成は、ハプロファーマ社(株)と共同して行った。6種類の新規作成したヒトSTAT6 siRNAのsTAT6発現抑制効果を、ヒト正常皮膚線維芽細胞においてReal-time PCR法ならびにWestern blot法を用いて確認した。新規作成したSTAT6 siRNAのうち2種類は、既存のSTAT6 siRNAに比べて強力なSTAT6発現抑制効果を示し、さらに、これら2種類のSTAT6 siRNAはヒト線維芽細胞をrlL-4 (10ng/ml)によって刺激した際に産生されるeotaxin-3の量を明らかに抑制した。これら2種類のSTAT6 siRNAをもとに作成したSTAT6 shRNAにおいても同様の効果を得た。また、マウスSTAT6 siRNAを作成し、マウス線維芽細胞株であるNIH3T3細胞を用いてSTAT6の発現抑制効果について検討を行ったが、マウスSTAT6は作成したSTAT6 siRNAの導入によりその発現が抑制された。このように、今回作成したヒトSTAT6 siRNAは既存のものよりも強力なRNA干渉を誘導すること、さらにSTAT6依存性のケモカイン産生を抑制することマウスSTAT6 siRNAに関してもSTAT6の発現抑制を確認した。今後これらの干渉RNAがin vivoで有効であるか明らかにする予定である。
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