2009 Fiscal Year Annual Research Report
siRNAを用いSTAT6を標的とした皮膚アレルギー疾患の遺伝子療法
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19591297
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横関 博雄 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (90210608)
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / サイトカイン / 干渉RNA / STAT6 / 核酸医薬 / ケモカイン / Th2 / 遺伝子療法 |
Research Abstract |
鼻炎モデルに対するSTAT6 siRNAの効果の解析 鼻炎におけるSTAT6 siRNAの有効性を検討するため、OVA感作マウスの鼻腔にDays 21から27にかけて連日OVAを吸入させて鼻炎反応を誘発した。惹起開始翌日から3日間連続して(Days 22, 23, 24)PBSに溶解したSTAT6 siRNA(3nmol/day)を鼻腔内に投与して、その治療効果を検討した。その結果、STAT6 siRNAの投与により、くしゃみと鼻かき運動の回数が著明に減少した。炎症反応の抑制は好酸球を含めた細胞浸潤の減少によっても確認された。さらに、鼻炎モデルマウスの頸部リンパ節細胞をin vitroにてOVAで刺激しサイトカイン産生を観察したところ、STAT6 siRNA投与群でIL-4とIL-5産生が低下していた。一方、IFN-γに関しては有意な差は得られなかった。以上の結果より、OVAを用いたマウスアレルギー性鼻炎モデルにおけるSTAT6 siRNAの治療効果があることが確認された。また投与経路については、鼻粘膜が皮膚に比べて物質の吸収が容易であること、さらに臨床応用の際には点鼻薬として用いた方が簡便であることなどから、水溶液として鼻腔から吸引させることとした。その結果、STAT6 siRNAの鼻腔内投与は好酸球を含めた粘膜への細胞浸潤を非常に有効に抑制した。さらに非常に興味深いことに惹起5分以内に生じるくしゃみや鼻掻き行動も顕著に抑制した。
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[Journal Article]2009
Author(s)
横関博雄
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Journal Title
EBMアレルギー疾患の治療:花粉症を合併した皮膚炎で注意すべき点は何か?(秋山一男ら編)(中外医学社)
Pages: 318-321
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