2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内微生物認識受容体クライオピリンの活性化によって誘導される細胞死の解明
Project/Area Number |
19591303
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
神戸 直智 Chiba University, 大学院・医学研究院, 講師 (50335254)
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Keywords | NLRP3 / CIAS1 / cryopyrin / 細胞内パターン認識受容体 / 細胞死 / ASC / cathepsin B |
Research Abstract |
今日NLRP3の名称が提唱されたCIAS1がコードするクライオピリンは,微生物のみならず内因性の危険信号を細胞内で認識するパターン受容体として機能し、アダプター蛋白であるASCと会合しinflammasomeと呼ばれる蛋白複合体を形成し、IL-1βの活性化に携わる。家族性寒冷蕁麻疹に代表される自己炎症性疾患CAPS(クライオピリン関連周期熱症候群)では,遺伝子異常の結果としてこのinflammasomeが恒常的に活性化され、自発的なIL-1βの活性化がみられる。我々は,NLRP3の疾患関連変異体をヒト単球細胞株へと導入した際に、Cathepsin B依存性にネクローシス様の細胞死を誘導することを明らかにした。本研究においては、NLRP3の活性化によって周囲に炎症を惹起できるネクローシス様の細胞死が起こる機序を明らかにする目的で、NLRP3のPYDドメイン,下流分子であるASCの全長およびASCを構成するCARDあるいはPYDドメインを,移入した遺伝子の発現を確認するためのGFP,および発現した蛋白質を活性化するために薬剤共存下に強制重合化させるためのFXBPとのキメラ蛋白質としてウイルスベクターにクローニングした。蕁麻疹を表現形とするCAPSにおいてIL-1βを産生する主要な細胞が肥満細胞であることを同定した上で,マウス肥満細胞株であるMC/9細胞に導入した。この結果,FKBPを介して特徴的な細胞死を誘導することができる細胞株を樹立することができた。このシステムを利用することで,特徴的な細胞死が誘導された際にどのような分子が関わっているのか,またこの経路がcathepsin B依存性であるかについて詳細に検討することが可能となった。
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Research Products
(4 results)