2008 Fiscal Year Annual Research Report
乾癬発症関連遺伝子群の解明と最適化治療開発への応用
Project/Area Number |
19591308
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
武藤 正彦 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40175625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一宮 誠 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20314809)
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Keywords | 乾癬 / 遺伝子解析 / 薬剤反応性 / 最適化治療 |
Research Abstract |
1.乾癬発症関連遺伝子群に関わる一塩基多型解析(SNP)の結果、IL-12及びIL-23の両者に共有されるIL-12/23p40をコードする遺伝子のSNP多型において、乾癬患者群と健常者群との間で有意差がみられることが判った。しかも、乾癬多発家系を用いた連鎖解析から、乾癬との強い相関が知られているHLA-Cw*0602を含むハプロタイプHLA-A*1-B*37-Cw*0602-DRB1*10が、上記のIL-12/23p40蛋白遺伝子SNP多型と連鎖して伝播される注目すべき結果が得られた(投稿準備中)。 2.乾癬治療薬の一つであるメトトレキサートに対する薬剤感受性を規定する葉酸代謝の律速酵素であるメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)のSNP解析から、エクソン4に相当する677番目の塩基置換(C→T)があると、全身倦怠感等の副作用を生じ易いことが判った。反対解釈をすると、677番目の塩基がC/C型のホモ接合体であると、比較的安全にメトトレキサートを用いることができるものと結論づけることができる。C/C型の遺伝子頻度は、乾癬患者60名中26名(43%)の頻度であることも判った。 以上の研究成果から、乾癬の発症に寄与する候補遺伝子として、従来から主張されているHLAに加えて、新たにIL-12/23p40遺伝子多型があげられること、そして、メトトレキサートを副作用なしに安全に使用できるか否かをMTHFRのSNPを調べることで事前に予知し得ることを明らかにすることができた。
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Research Products
(13 results)