2007 Fiscal Year Annual Research Report
IL-17によるヒト表皮角化細胞のケモカイン産生制御機構の研究
Project/Area Number |
19591313
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤山 幹子 Ehime University, 医学部附属病院, 助教 (60263935)
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Keywords | 表皮角化細胞 / ケモカイン / IL-17 / CTACK / MIP-1beta / IRF1 |
Research Abstract |
培養ヒト表皮角化細胞を用い、サイトカイン刺激によるCTACKとMIP-1betaの産生を調べた。CTACKは、表皮特異的に産生されるケモカインであり、TNF-alphaの刺激により産生が誘導されるが、IL-17の添加は、強力にそのmRNAの発現と産生を抑制した。以前に、RANTESの産生がIL-17により抑制されることが報告されているが、CTACKの産生抑制は、RANTESに比べると明らかに強力であった。 続いて、MIP-1betaの産生におけるIL-17の関与について検討した。MIP-1betaの産生は、IFN-gamma刺激により増強することが知られていたが、今回の検討によりIL-4の添加が強力に産生を増強することが明らかとなった。また、これにIL-17を添加すると、MIP-1betaのmRNAの発現と産生は顕著に抑制された。 次に、IRF1の制御に注目して検討を行った。TNF-alpha刺激では、刺激後1時間でIRF1のmRNAの発現を認め、刺激後3時間より、IRF1の核内移行が確認される。IL-17を添加すると、IRF1のmRNAの発現には影響を与えなかったが、IRF1の核内移行は抑制されることが確認された。ケモカイン産生におけるIRF1の関与を明確にするため、siRNAを用いてIRF1のmRNAの発現を抑制した状態で、CTACKの産生を検討した。IRF1の発現を抑制すると、CTACKの蛋白の分泌は抑制されたが、他のケモカインであるMIP-3alphaの産生には影響を与えなかった。さらなる確認のため、IRF1のdecoyについても同様の検討を行うこととし、現在、至適条件を検討中である。また、IFN-gammaによってもIRF1のMrnaが誘導され、IL-4の添加はそれをさらに増強するが、IL-17の添加は、IRF-1mRNAの発現増強には影響を与えなかった。現在IRF1の核内移行の抑制について検討中である。
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