2008 Fiscal Year Annual Research Report
メラノサイト前駆細胞の生存におけるMitfの作用機序ー分化段階による相違ー
Project/Area Number |
19591331
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
河 陽子 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 助教 (10082273)
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Keywords | melanocyte / Mitf / Tyrp1 / neural crest cell / RNA interference / RACE 法 / NCCmelb4M5 / isoform |
Research Abstract |
メラノサイトの初期の発生に関わる因子のうち、転写因子であるMitfの役割に注目した。Mitfはメラニン生合成に働くチロシナーゼやtyrosinase related protein 1(Tyrp1)の転写因子である事が明らかとなっているが、Mitfの重要なもう一つの役割は発生初期のメラノサイト前駆細胞の生存の維持と考えられている。しかし、その作用機序に関する報告はほとんどない。 これまでの本研究において、神経冠細胞由来メラノサイト前駆細胞株(本研究で樹立したNCCmelb4M5)からMitfをノックダウンするとFasの発現が上昇し細胞死に至ることが確認できたが、Tyrp1をノックダウンしても同様の結果が得られた。また、Mitfのミュータントマウスの神経冠培養系にTPAとコレラトキシンを加えると、本来培養されないはずのメラノサイト前駆細胞が現れた。この細胞はチロシナーゼやtyrosinase related protein 2は陰性であったが、Tyrp1は陽性であった。Kitはごく僅かの細胞で陽性だった。 以上の結果から、Tyrp1はMitfと同様にメラノサイト前駆細胞の生存に重要な役割を果たすと考えた。 Tyrp1の位置を変えてsiRNAを数種類設計し検討した結果、その効果はintron2の配列で最大であった事から、メラノサイト前駆細胞の生存に重要な役割を果たすTyrp1のアイソフォームが存在すると考え、今年度の本研究ではRACE法による新規遺伝子の検索を中心に研究を行なった。結果はまだ確定に至らず、現在検索継続中である。
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Research Products
(1 results)